昨日11月23日、滋賀県栗東市のさきらホールで行われたソロ・ピアノ・コンサートに行ってきました。そう、このCDが録音されたホールでの生演奏です。
客は200人前後と、こじんまりしたコンサートでしたが、久しぶりに聴いた辛島さんのピアノに、懐かしく、楽しいひと時を過ごせた休日でした。
コンサートの後、当然のことながらこのアルバムを買ってサインを戴き、握手して帰ってきました。
収録された曲の数を見て想像はしていましたが、オスカー・ピーターソンのスタンダード盛り沢山アルバムのような感じで、一曲一曲があっという間に終わってしまって、ライブのような圧倒的なアドリブの醍醐味を感じられない、非常にまとまりのいい感じのアルバム・・・。
まあ、CD盤となればこれはしょうがないのでしょうね。夜、あまり音量を上げずに静かに聞く分にはこれはこれで良盤かもしれません。
でも、ライブでのあの迫力のある演奏がまだ耳に残っている今は、やっぱり物足りない・・・。
ライブで演奏の最中に聞こえた弾きながらのうめき声はさすがにCDでは入っていませんが、代わりにピアノのペダルの音がやけに気になるなぁ。ピアノ自体は良く鳴っているのにね。
そんないろいろな思いを感じながら、しばらくは私の夜の愛聴盤の一つになりそうです。
鈴木勲がチェロに専念した盤である。76年4月、クインテットで東京吹込み。
管楽器レスでピアノ&エレ・ピが辛島文雄、ギターが渡辺香津美。両人とも当時20代そこそこの気鋭の若手だ。そしてリズムが来日中のsam jonesとbilly higginsとは頼もしい。
鈴木のチェロは8弦張られていて、一音がより明確に力強く響くよう工夫がなされている。結果ソロでは独特な音色でラインが紡がれていく。辛島のエレピはシリアスな風情があり、スケールの大きさを感じさせる。どんな曲想でも持味を変えることなく表現しえている。この事は渡辺も同様で、とにかくギターのトーンが艶やか。billy higginsは彼ならではのスティック捌きが発揮される。sam jonesも重い。以前からの<黒さ>は失われておらず、一音に深みが増している。
鈴木のチェロ、sam jonesのベースがボトムに来るアンサンブルはかなりヘヴィ。それでスタンダードを自在に歌い上げる。他のジャズ盤では聴けない香気がある。今ではこれを“レア・グルーヴ”と称して愉しむ人もいるかと思う。
各人とも名手揃いであり、安定感は抜群だ。落ち着いた午後にジックリと聴き込みたい佳作である。
70年代のフリージャズを初め数々の日本産ジャズをリリースしたTRIOレーベル。
当時のジャズを聴いている身としてはお馴染みのレーベルだったのだが・・
このコンパイル手法には一言でいって、ヤラれた!
いまや女性のDJの中で、(というより女性という枠を超えて)
確実な評価があると、よく名前をみる大塚広子。
彼女の選曲とMIXしたCDということでも気になっていたけれど、
これは、歴史的TRIO音源を惜しみなく託したART UNION の偉業!
ありがちなコンピではなく、70年代〜の当時の音源をひとつの時のながれとしてパッケージしたセンスと、ジャズへの愛情も感じられる内容に、正直感動してしまった。
ディジョネットをむこうにまわして対等に渡り合える日本人など、そうそういるものではなかろう。 まったく持って見事なものである。何が見事かって、大半が辛島オリジナルで構成され、計算され尽くした楽曲、トータル的アンサンブルの仕上がりの良さ、録音の美しさ。
「Those years with Elvin」では、在りし日の偉大なジャズドラマー・エルビン・ジョーンズへの畏敬の念と懐古的テーマであろうか、ジャックもそれを意識してかエルビンが得意としたフレーズを多用した気迫あふれるドラムソロが聞ける。J. Dejohnetteが推奨したというベーシストがもつタイム感覚は、さすがシンバル・レガートとの調和が取れていて悪くない。
キース・ジャレット・スタンダ−ズTrio やリッチー・バイラークTrio[ELM]なんかと聞き比べてみるのも面白いかもしれない。
惜しむらくは、三顧の礼でジャックを迎えたのであれば、彼のオリジナル楽曲[Silver Hollow],[Bayou Fever]位聴きたかったものだ。 辛島氏ほどの実力派であれば、辛島トリオ流に演るに充分なアレンジができたはずだ!
ライブハウスでセットの間に流れていて、ピアノプレイヤーがしみじみとこのジャケットをみていました。 彼もこんな風な演奏をしたいといっていました。頑張れとエールを送りたいです。 辛島さん自身もライナーノーツでとても気に入っている演奏と語っています。 同感です。こんなすごい演奏が記録され、聞くことができて感謝です。
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