前作・ディープコリアを丸々載せながら、2002年の韓国を語る。 綺麗事でない、贖罪意識もない、そして無意味な他国賛辞でない、 という視点で書かれた「定本」である。WC問題で日韓問題にどう 対処していいのかわからなくなった人にはうってつけの良書となる。 星を5でなく4にしたのは、2002年記事の中で横山剣の対談が 延々と載っているからで、個人的にそれが読みたいわけではなかった からだ。しかしそれ以外は非常におもしろく、文句のない1冊だ。
何につけ理論先行ではダメで、たとえば子供にピアノを習わせる場合、譜面を理解する知識を詰め込むより、むしろ音感を鍛える訓練をするべきではないかニャー? …そんな剣さんの主張にとても共感できまス。 要するに、意味のあることがすべてかのような世間の通念よりも、物事を質感でとらえてグッと来る感覚こそが大事だというようなところがね。
かつて、永ちゃんの『成りあがり』が「言葉は少々乱暴にせよ、杓子定規な教科書よりもずっと為になる」と好評でしたが、同様に「本質を見極める」という点での知恵を剣さん流の独創的な文体で深刻ぶらずにアドバイスしてくれているので、とても読み応えありましたよ、ええ。
イイネったら、イイネ!!!!まさにABCからZまでデス!!!!!!
「ここはひとつ眉間に寄せた皺を伸ばして、笑顔になってみるというのはどうだろう。 どんな武器より、無敵な笑顔だ。」 ―――本書510ページより
もはや“仮面ライダーの主役を演じたイケメン俳優”の枠では語れないほど、好きなコトを真摯に追求し続けている半田健人氏だとか、もう亡くなったが、娯楽映画の王道で成果を挙げながら、カルト方面でもとてつもない華を咲かせた石井輝男監督だとか。他人がどう思うかはさておき、ズンズンと“俺ワールド”をつき進む、そんな風に生きている男が好きだ。ほれぼれする。それはきっと、オレがなかなかそういう風に生きられないから、そういった面々に「何か」を託しているところもあるんだろうが。 そしてそれは、500ページを超すこの本の著者、横山剣さんにも言えることだ。 なにしろ量が量だけに、心に汗をかきながら必死になって読了したが、気がつくとまた、あちこち読み直していたりする。 これまで、ライヴのMCなどで小出しにされていた、子どもの頃のことなどがまとめて読めるわけだが、全体にさらっと流すような印象。クールスRC時代のこととか、もっと読みたい人も多いのだろうが、スーッと通過してくような感じだ。雑誌『POPEYE』2007年9月号のインタビュー(聞き手:吉田豪氏)など、よそで読んだり聞いたりしたような、ヤバい話もほとんどない。 でも、ところどころエッセイ風になりつつ、出生から2007年のことまで、しっかりと記されている。 離れていた時期もあったが、CKBの音楽を好きでいてよかった。 心からそう思った。
なお、ハマの歴史を綴るドキュメンタリー『ヨコハマメリー』のDVD、そしてムッシュかまやつ氏の書いた―おそらくこの本のお手本になったと思われる―スタイリッシュな自伝、その名も『ムッシュ!』と共にお読みになると、また興味が増すのではないだろうか。
近くライブにいくので盛り上がり所を知っておこうと
思いましたので購入しました。
剣さんのライブの良さが良く解る作品だと思います
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