この本は、ひとつの学校論である。
学校の内部にいる人は、学校のパワーで無意識に動かされ、生徒役や教師役を演じている。塾講師のバイトをやっていたとき「先生は演じるものだ」というアドバイスをもらったことがある。生徒の前に立って演説をする。恥ずかしいし、教室の外から見ると自分の姿はかなり滑稽だと思う。そういった意識を除去するため、あえて演じるのだ。先生の前に座っている大勢の人間も、ほとんどの場合無意識に生徒役を演じている。あの不気味な箱の中で呼吸するには、そういった方法をとるのが最適なのだろう。
学校の不気味さ。学校にいるあいだも学校を出てからもそれほど意識はしない。恩田陸は、そこをうまく取り出している。単なるホラーだとか、サスペンスだとかで終わらせてはもったいないや。
ここ数年間、いつも金髪にボーダーのシャツという印象しか無い coba のベストアルバム第3段。毎度おなじみ「おしゃれカンケイ」のテーマをはじめ、TVやCMでよく耳にする楽曲のオンパレード。前2作同様、イイトコ取りの作品であることは間違いない。 「所詮はベストアルバム、どうせ以前に発売されたアルバムからピックアップだけなんだろう!」と思いきや、最近のQueen人気にあやかってか「伝説のチャンピオン」が収録されている所も興味深い。おまけに、ちゃんとcobaワールドになっていて、うーん、coba侮り難し。 coba マニアはもちろんであるが、cobaの曲をちゃんと聞いたことがないビギナーの最初の1枚にもどうぞ。
今現在活躍中の、鈴木杏ちゃんや、キルビルの栗山千明さん、ウォーターボーイズ、世界の中心・・の山田孝之君の、若い頃(今も若いですが幼い頃かな?!)が見られるのでとってもお勧めです!! 今は第一線で活躍されている俳優さんたちですが、そうなる前の初々しい演技がなかなか良いと思います★ それぞれのファンの方は必見です!! 内容は学園ミステリーで子供向けなのかな~と思ってみてしまいましたが、ついつい「小夜子伝説」に引き込まれて見入ってしまいました。 なかなかのオススメDVDです★
NHKでこのドラマを観て夢中になり、原作も読みましたが、結果ドラマの方がおもしろかったと思います。設定を中学生にしたところから、その年頃の少年少女達の友情、家族とのつながり、自分探しといったテーマーが明確になり、それぞれにきちんと答えをだしているところが、見終わってすっきりしました。ところどころぐっとくる言葉がちりばめられている何度観ても飽きない永久保存版です。
恩田作品を始めて読んだ。この人はミステリーを書く人だと聞いていたけど、本作は穏やかで微笑ましい雰囲気漂う青春ものだった。 甲田貴子と西脇融は誰にもいえない秘密を持っている。同じ学校に入って、互いに敬遠しながら過ごしていたが、どうしたことか3年で同じクラスになってしまう。そして高校最後の歩行祭。貴子は一人内なる決意を秘め、それに参加する・・・。 80キロ歩くなんて経験自分には無いから、どんなものかわからないけど、読んでるうちに自分も登場する高校生と一緒になって歩いてる気がした。それくらい人を引きずりこむ力が本作にはある。想像力の問題じゃなくて。 初めは、独特の緊張感、不安、恐怖が伝わってくる。そして、歩行祭が進むにつれて、二人の距離が縮まる。雄大な景色を目前に見ながら、貴子と融は思いを通わす。離れられなかった呪縛から、二人が解き放たれる。前半から後半にかけて、大自然の中での歩行祭という強烈なサポーターを背後に、爽やかで気持ち良い展開を見せる。 その間、主人公と自分を照らし合わせて、興奮したり、緊張したり、疲労にため息をついてみたり、まどろんでみたり、友達との会話をイメージしたりしていた。読んでいる間はとても楽しいひと時だった。 本作には、ドン!とくるような感動は無い。どちらかというと、ゆっくりと、後味として残る感動だ。そのため読後に、まるで自分が80キロを歩ききったような達成感と爽快感がある。 いろんな意味で美しい作品だ。
|