なかざき冬 商品

なかざき冬 雷星伝ジュピターO.A.(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

 「アイテム拾ってヒーローに」と、昔から使い古されたシチュエーションではある。だが、細かいところで新しい味付けがなされているので結果として新しい「変身ヒーロー物」になっていることは確か。動きも激しく、戦闘シーンはなかなかの迫力がある。だが、キャラの肉付けにちょっとした違和感が。絵は「あさり よしとお」によく似ているために「高校生」といわれても納得いかない。現に、登場人物全員が中学生のような立ち振る舞いをする。主人公も「特撮オタク」というよりは「特撮好き」に近いと思う。恐らく販促のインパクトを高めるためだろう。もう一つの大きな難点が、「痛がらない」ということ。一文字に斬られようが、腕を切断しようが、壁に打ちつけられようが、全く痛がらない。漫画の動きがいいだけに、痛がらないと何とも妙な気分になる。気になるところは若干あるが、勢いとテンポは申し分ない。これで主人公の決めセリフがもっと格好良かったら、というのはちょっと贅沢かな?以下、ストーリー解説深夜に放送される特撮番組「ジュピター」。ストーリーパートは大した出来ではないが、その戦闘シーンは驚異的とも言えるクオリティ。戦闘シーンのおかげで一部の特撮ファンには熱狂的に支持されるが、ファングッズの販売はおろか制作スタッフや会社の名前すら明らかにされることが一度もなかった。主人公もそんなジュピターに熱狂する特撮オタクの一人である。だがある日、たまたま「ジュピター」のガシャポンを手に入れる。すると、先週番組予告に登場した怪獣が現れ、破壊行為を始める。ガシャポンによって「ジュピター」に変身し、その怪獣を撃破した主人公。だが驚いたのはその闘いの内容が手を加えられ、番組の戦闘シーンとして放映された事だった。本当の「ジュピター」に変身出来た事に驚喜する主人公。だが彼はまだ知らない。その「撮影」の裏に隠された大きな動きを。 雷星伝ジュピターO.A.(1) (講談社コミックス月刊マガジン) 関連情報




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