福島原発の事故により、2011年は特に節電を意識しなくてはならない年にな
りました。消費電力削減の要請も聞こえてきますが、そのためにはまず自分の
所有する家電製品がどのくらいの消費電力なのかを正確に把握することが必要
ではないでしょうか。
ワットチェッカーの利点は計測器具として消費電力を「きちんと」測定でき
ることにつきます。一般的な器具の場合、電気コードには実際に仕事として消
費する(有効)電流のほかに、無効電流と呼ばれ、器具内を通過するだけで再
びコンセントへ戻ってしまう電流とがあります。消費電力を求める場合、前者
の有効電流についてのみ測定しなくてはなりませんが、本器はそれをきちんと
測定することができます。(+2)
また、最小測定単位は1ワットなので、そのままでは微小な待機電力を測定
することが難しいために0.1ワットの桁までの精度が求められるところではあ
ります。しかしながら本器はコンセントに差し込んだときからの経過時間と累
積消費電力を表示する機能があり、精度はともかく、ワットチェッカー自身に
1ワット未満の消費電力を感知する能力はあるようなので、後で累積値を時間
で除してあげれば、待機電力程度なら知ることができます。
欠点としては本体がACアダプターサイズ以上であるため、ほかのコンセント
差し込み口を大きく塞いでしまうので(短めの)延長コードが別途必要な点で
す。どんな家電製品の測定にも対応できるように *15A* のものを準備すると
よいでしょう。器具の性質上、このサイズはやむを得ないでしょうから、メー
カーサイドは安全性の高い延長コードを同梱するようにしていただきたいもの
です。(-1)
また、累積値を表示する機能があるのであれば、ついでに消費電力の最大値
も表示する機能があってもよいのではないかと思いました。
我が家の家電品を計測して、TVなどリモコンで操作可能な家電品の待機電力
は軒並み1ワット以下で省エネ化が進んでいることがわかりました。一方でFAX
が8W、ブロードバンドルーターが7Wなど、情報機器関係の消費電力が高く、ま
た高速起動モードにしたブルーレイレ
コーダーの待機電力が非録画時でも28W
であったことには驚きました。