「アローン・アゲイン」は、奇跡の名曲だ。なんということもないイントロから、さりげないメロディーが次から次にこぼれ落ちてくる。展開部も大げさなものは何も無く、自然に元に収まる。それでいて心に残る充実した静かな感動。歌詞など読まなくても、表現されている世界観のようなものは十分に伝わってくる。よくできた音楽というのはそういうものだ。もし世の中に「完璧な音楽」があるとすれば、この曲は間違いなくその一曲に数え上げられるだろう。
この一曲目あてでも十分に元は取れるだろうが、しかし他の楽曲にも耳を傾けてみれば、「アローン・アゲイン」ほどの完璧さは無いにせよ、滋味あふれる良質な曲の中にギルバート・オサリバン独特の世界が見えてくるはず。ポール・マッカートニーがリスペクトするほどの才能。だがやはり、アイルランドの歴史に裏打ちされた世界。ポールとは全く別個の才能がここにある。「アローン・アゲイン」をきっかけにその奥深い世界に触れることができたなら、それは人生を少し豊かにできたことになるかも知れない。
「
花〜Scenery with Floews〜 (DVD版)」のブルーレイ化作品で、内容は同じですが、高画質で楽しめるようになっています。
V-Musicシリーズの基本的なコンセプトが、音楽に映像を当ててBGVとして楽しめるようにしようというものなので、それ以上のものを期待してはいけません。図鑑的な情報は
タイトル画面とポップアップメニューにしかなく、撮影地に関する情報もわずかですから。主役は音楽と考えたほうが良いでしょう。
もちろん、こういったコンセプトを理解した上であれば、いまのところ(2008年現在)、桜専門の作品を除けば、ほかにはない花にフィーチャーしたブルーレイのBGV、高画質で撮影された花々の映像を、心地よい音楽といっしょに楽しめるでしょう。内容としてはちょうど NHKで深夜に流しっぱなしになっている、ナレーションなしの音楽付き映像番組や、ニュースの合間に挿入されている季節の花の話題がたくさん集まったもの、を想像していただければよいかと思います。全般的に小粒な感じなので星は4つ。
1. 向日葵(ひまわり) → パッケージにも使われている一面のひまわり畑。比較的カットも少なく、雄大な景色をゆっくり楽しめます。
2. 花菖蒲 → 普通に菖蒲園で撮影した素材がベースなので、そう珍しいものでもなく。
3.
薔薇(ばら) → こちらも普通にバラ園で撮影した素材がベース。綺麗に撮影されていますが、並といえば並。
4. 桃 → かなり地味ですが、里山って感じで、これもこれもよいのはないかと。
5. 菜の花 →「1. 向日葵(ひまわり)」同様、風景に広がりがあって心地よいです。春が待ち遠しく感じます。
6. 紫陽花(あじさい) → 青空の下、雫に濡れた紫陽花というのもよいものです。ドビュッシーのアラベスクが妙にマッチしています。
7. チューリップ: オランダで撮影した素材も含まれているようですが、うーん、天気に恵まれなかったのか、カメラマンの腕が悪いのか、いまいちなカットが多いのが残念なところ。
8. 百合(ゆり): トビシマカンゾウ(ワスレグサ属)なので、一般的にはユリとは呼ばないと思うのですが。確かにユリ科だから広くいえばユリでしょうけど、普通に考えてユリといえば、ユリ属の花のことをいいますよね……。せっかく綺麗に頑張って咲いているのに、
タイトルが「百合」では期待外れに思う人も少ないと思いますから、変えてほしいものです。
9. 彼岸花(ひがんばな): ひたすら彼岸花である点を除けば、「1. 向日葵(ひまわり)」や「5. 菜の花」のようにBGVとして風景を楽しめるトラック。特に最期のライトアップされた群生は、彼岸花という名前もあるでしょうが、怪しげな麗々しさがあって、なんともいえない美しさを感じます。
1972年リリースのセカンドアルバムです。当時日本では「アローン・アゲイン<バック・トゥ・フロント>」と改題されて発表されました。「アローン・アゲイン」のあまりにも爆発的な大ヒットを、さらに商業ベースに乗せるためには、その方がよいと考えられたためでしょう。3曲目の「クレア」を「アローン・アゲイン」に差し替えてのリリースとなりました。(その後、「クレア」もシングルカットされ、ヒットしましたが...。)
内容はファースト・アルバムが内向性(暗)を暗示しているのに対し、本作は外向性(明)という様な印象を持ちます。「アローン・アゲイン」自体はその中間であると位置づけると、しっくり来るのかもしれません。
楽曲的には、一つの完成形を迎えたという感じがします。「クレア」、「ザッツ・ラヴ」、「フー・ワズ・イット」、「アウト・オブ・ザ・クエスチョン」などがその例だと思います。ギルバート・オサリヴァンを語る上では、色々な意味ではずすことの出来ないアルバムです。
おやすみ前の音楽みたいイメージがあるオサリバンだけど、僕がはじめて彼を知ったのは5 Get Down がヒットしていてマセガキ3人でラジカセくっつけてダビングしあいました。だからヤンチャ盛りっぽいこのビート、今でも大大大好きです。僕がみんなにいいいいと言うので友達の何人かはレコードを買ってしまいました。
子供の頃は2 Alone Again の良さがイマイチわかりませんでしたけど、今聴くといいですね。カラオケでも歌ったりします。でも、この中でいちばん好きなのは8 What's In A Kiss かな。
しかし、もっといい曲があるんだ。74年に12や16よりランクもずっと良かった曲「Why Oh Why」、なんてきれいな曲だろうと思ってしまう。70年代の曲ではこれが自分のベスト3にはいる。この曲を22番目に入れてしめればいいのにな。
個人的にはCDチェンジャーに入っているCD-RWには22番目にラジカセから引っぱったモノラルの「Why Oh Why」が入っていますが、曲がきれいなのでステレオみたいに聞こえますよ。
遂にO'sullivanのライヴDVDが発売されました(しかもCD付き!)映像作品としては93年の「Live In Japan」以来実に12年ぶりになります。私は昨年行われたこのライヴに行きましたが、改めて見てオサリバンの若さに驚きました!とても57歳には見えない元気の良さです(12年前とちっとも変わってないんですよ!)最近はヨーロッパで数多くツアーを行ってることもあり、以前よりも数段上手くなっている感じがします。また今ツアーからバンドに新加入したJulian Greavesのハーモニカが良い味だしてます!「Alone Again」「Clair」「We Will」「Make My Day」「What Could Be Nicer」等良い曲ばかりです!!絶対に買いです。