Raymond Chandler原作の簡易版、限定1400語で書かれています。
平易な単語が殆どで、会話も多く、様々な言い回しがでてきます。
有名な私立
探偵Marloweが主人公です。
ハードボイルドというだけで今まで読んだことなかったのですが、
Marloweの人生哲学が、ストイックなまでにシンプルで人情に厚く
共感できるものでした。
ミステリーとしても十分楽しめます。
次にどう展開するのか気になって、一気に読んでしまいました。
CD会社としては「初心者向けの廉価2枚組」という感覚で発売したと思われるが、どうしてどうして、このディスク、けっこういろんな演奏をききこんだ方にとってももとめるだけの価値を充分に持っている。
絶頂期の
カラヤンによる「ツァラトゥストラ」「英雄の生涯」がきけることだけでも有り難いのだが、そこに同じ
ベルリン・フィルを振っても音楽的に時代感覚のまったく違うカール・ベームの「ティル」と「ドン・ファン」が収められている。
カラヤン登場までのR.シュトラウスの「古き良き正統」はケンペやベームにあったわけで、そうしたことを議論するうえでも見逃せない。
そして決定的なのが「ホルン協奏曲第2番」だ。この曲は大戦後に80歳をこえた老シュトラウスの手になるもので、当時のシュトラウスは「
モーツァルトに還る」という発言をしていた。そのため「まあホルン協奏曲第1番と同じでいいだろう」(こちらはシュトラウスが17歳のときの作品だったと記憶する)という解釈になってしまいがちなのだが、
カラヤンはそうは考えなかったようだし、わたしも
カラヤンの解釈に賛成だ。曲はたしかに明朗で、のびやかにホルンが響くのだけれど、そこには「かなしさ」がある。ハウプトマンのホルンが「まるではるかな山あいからきこえてくるように」鳴り、
ベルリン・フィルが曰く言い難いツケをしているのをきくと「うーん、さすが
カラヤンだ」と思う。
カラヤンはR.シュトラウスのホルン協奏曲第1番は録音していないと思う。なにを録音しないかもひとつの発言である。けれどここでのききては「もし録音してくれていれば」と、どうしても思う。そういう気持ちを(わたしと同様に)おもちになった方には1971年にペータ・ダムがホルンを吹き、レーグナーが
ドレスデン国立管弦楽団を振ったディスクをお薦めしておく。「Strauss,Damm」で検索すれば見つかります。
ハンフリーボガードの『三つ数えろ』の原題をみてビックリ。ビッグスリープではないか。ストーリーも同じ
タッチも似ている。ただ気になるのは、このロバートミッチャム版の、富豪の二人の娘のキャラがいまいち
探偵物としてふさわしくなく、ハンフリーボガード版のようにもっと秘密めいた
タッチが見ていて安心感があると思うのは私だけでしょうか