主題歌「ZOO」は割と有名かと思いますが、ドラマの方はVHSしか発売されていません。もう12年も前の作品ですが、何が正しいのか分からない、何を拠り所にして生きていけばよいのか分からない、そんな現代だからこそ光り輝くドラマです。出演者も豪華ですし、レンタル店でも徐々にVHSが消えていっている昨今、早急にDVD化が望まれる作品ではないでしょうか。
定番の「ZOO」に加え、
「サボテンの心」「ガラスの天井」「冬の虹」は、
ソロのファーストアルバムに収録されており、
ライブで演奏される頻度は高く、
正直、最初は、「レイン」みたいに、
リクエストに基づいて、
往年のファンが喜ぶようなコアなセレクト
(たとえば「ミーイズム」や「with」など)
のほうがいいなぁと思っていたが、
通り一遍聞いてみて、
このアルバムの持つ世界観、
しっとりとしたアレンジにやられた。
1999年yumaに提供された「光の子供」「アカシア」は、
2001年12月の弾き語りライブで披露されて以来、
「アカシア」は2007年8月のソロライブで披露されたり、
ザムザヴァージンもあったが、
今回「光の子供」とともに、音源化されたことはうれしい。
個人的には「レイン」が最高だった。
4枚目のソロアルバム「第三反抗期」が発売された1995年3月、
超氷河期と言われた中で、就職活動をしていて、
当時住んでいた
京都から
大阪に何回も出かけていた。
土砂降りの日、梅田の
高層ビル群を迷いながら歩いた。
リクルート
スーツのズボンの裾を濡らしながら、
ウォークマンでこの曲を何度も繰り返し聞いた。
不安しかなかった、心細さを代弁するような曲だった。
当時お付き合いしていた人のことも思い出した。
面映ゆいけれど、大事な過去を「レイン」は連れてきてくれた。
曲って、記憶を呼び戻してくれることを改めて知った。
ミュージシャンのジンセイ、やっぱり好きだ!
映画化もされた江國香織と共著である小説『冷静と情熱のあいだ』の作者辻仁成(つじ・ひとなり)が在籍していたバンド「echoes」の一日限りの復活ライブの様子である。
echoesは、「ZOO」が代表曲となっているが、他にも佳作がたくさんある。
それにも関わらず、バンド・ブームと言われた80年代後半から90年代前半の時流に十分に乗り切ることはできなかったと言えるであろう。
ヴォーカルを務めた辻仁成(つじ・じんせい)は、その後小説家となり、『海峡の光』で
芥川賞も受賞し、作家としての確固たる地位を気づきつつある。村上春樹、村上龍の次の世代の旗手として、活躍が期待されている(氏は、詩人、映画監督でもその多才ぶりを発揮している)。
さて、このライブでは、リラックスしたJinseiの貌が見られる。
大人としてのechoesは、このライブをきっかけとしてechoes of youthという新しいユニットに形をかえ、活動を始めている。今後の彼らの活動ブリも期待大である。
曲数が少ないのが不満だが、内容的には満足のいくものである。