リンゴの来日コンサートのチケットを買ったが彼のソロは正直言ってよく知らない。予習したくて詳しい本とかサイトを探しても見つからずに諦めかけていた時にこのムックが出た。同じ“the DIG Special edition”から出たポールのライヴ徹底解剖ムック(amazonレビューを書かせていただいた)が素晴らしかったので期待して買ってみた。
表紙をめくって最初に出てくるリンゴの写真が渋くてカッコいい!その次に最近のインタビュー。ネタバレになるので中身は書かないが面白かった。次に過去のオールスターバンドの写真集。リンゴの誕生日ライヴに飛び入りしたポールがきれいな写真で見られて感激。
[Part 1] はリンゴの歩みを紹介した基礎知識コーナー。全スタジオアルバム紹介と、ライヴで歌った曲の解説がついている。読みやすい文で簡潔にまとまっていて自分のようなリンゴソロ初心者にも優しい。
[Part 2] は“the DIG Special edition”得意のデータ満載コーナー。時期ごとにオールスターバンドの演奏曲とスケジュールと収録CD、DVDのデータを細かく紹介してある。ここまでデータが整理されていると、自分のような詳しくない者でも眺めているだけで楽しい。リンゴが気管支炎になったりリンゴの娘が病気になったりして中止になったライヴのリストまでのっていて、感心するやら呆れるやら・・・(笑)
早速今の第13期バンドのページを見ながらyoutubeで曲を探して聞いている。おかげで完璧に予習できそうだ。(日本では別の曲をやるかも知れないがそれもまた楽しみ。)オールスターバンドへの敬意がにじみ出る解説がまた良くて(ちょっとほめ過ぎと思う所もあるが)全部の時期を聞いてみたくなる。ブルースス
プリングスティーンが飛び入りしたライヴのテープは残ってるんだろうか・・・。
[Part 3] は歴代メンバー45人と、その人たちがオールスターバンドで演奏した歌が入ったアルバム120枚の紹介。若いころよく聞いたピーターフランプトン・イアンハンター・エリックカルメンも参加していたとは・・・ストーンズ・ツェッペリン・クイーンみたいな定番バンドが出てこない、ちょっと変わったロック史が勉強できて楽しかった。
最後がビートルズ関係の2000年代の出来事と年表とCD、DVD発売リスト。ただ列記して簡単な説明がついただけだがすごい量。年を取ると最近の出来事が何年前なのかあやふやになるので(笑)記憶の整理に役立つ。
欲を言えばせっかくだから1冊丸ごとリンゴの記事を読みたかったなと思う。ドラムプレイの解説や分析があればもっと良かった。でも星をひとつ減らすほどではないと感じる。データブックとしては大満足。とても良いムックだ。これを読んで、リンゴのソロや気になったメンバーのCDを集めることにした。コンサートが終わった後もずっと使わせてもらうつもりだ。
追記2013.2.26
おかげで完璧な予習ができたので最高にライヴを楽しめた。このムックがなかったら3分の1ぐらいの曲がわからなかっただろう。リンゴ&オールスターバンドとシンコーに「一生の思い出をありがとう」と伝えたくて追記しました。
リンゴ・スターソロ3作目(最初の2作は趣味的なもの)で,非常に売れたアルバムです(全米1位・全英7位)。アルバムからのシングルカットで2曲「PHOTOGRAPH」(リンゴとジョージの共作)「YOU'RE SIXTEEN」(カバー曲)が全米NO.1に輝いています。このアルバム,ビートルズ解散後に他の3人が楽曲を提供したり演奏に参加したりして(4人で演奏している曲はない)話題になりました。悪く取る人は「リンゴ一人の力じゃ〜こんなにヒットしなかったし,他の3人の協力があったからいいアルバムになったんだ」とけなす人もいます。しかしヒット曲だけでなく,よい曲が収録されていますしリンゴも作詞作曲面・ドラムでがんばっています(ビートルズ時代は2曲しか書いていないのに)。発売当初のLPはベーシストのクラウス・ブーアマン(リボリバーの
ジャケットを書いたことで有名)作のジャッケトの絵から参加ミュージシャンを見つけるのが楽しみでした。各曲の参加ミュージシャンのクレジットを見るのも面白いですよ。CDの小さな絵から見つけることは至難の技です。CD化されたときにリンゴのシングルとしては初のヒットとなった「IT DON'T COME EASY」(全米4位,全英1位 しかもリンゴ一人で作詞作曲!)などが
ボーナストラックとして追加されています(オリジナル版への挿入の仕方に疑問を感じますが)。このアルバムはリンゴの最高傑作と位置付けられています。しかしセールス面を度外視すればリンゴは最近発表の「RINGO RAMA」など傑作をいくつも発表しています(ちなみに私はリンゴのアルバムはまず全部持っています)。このアルバム「RINGO」は70年代ロック・ポップスアルバムの名盤として聞いてみる価値のある1枚だと思います。ぜひリマスター版(紙
ジャケット仕様がいいな〜)にしてほしい1枚です。ビートルズというグループは解散してから,4人全員がNO.1ヒット曲を生み出しているという点がすごいと思います。4人の才能はすごい!