ジャケットの表紙絵の世界が広がる煌めく様な名曲が収められている宝石箱のようなアルバムです。こちらも永遠の歌姫となった須藤薫さんの魅力を堪能できます。
シングル用のマスターテープを使っての丁寧な編纂のようで、ほとんどの曲が、
シングルミックスは別だったのか?くらい、アルバム収録を聴いた時と印象が異なります。
その証に、アルバムからシングルカットの「あなただけ…」は、あまり印象の差異を感じません。
ベスト・コレクションや
DREAM PRICE 1000/須藤薫 あなただけI LOVE YOUを既にお持ちの方も、
そちらは薫さんを聴いた事がない友人に貸してあげて、こちらに持ち替える事をお勧めしま〜す。
Disc1では、アナログシングルで聴いた時の記憶が甦ってきます。
アルバムでのサウンドでは重心が腰のあたりにあるとすれば、もう少し上がって胸のあたりに
…って、伝わります?ドラムとかピアノとか、アコースティックな楽器の立ち上がりの鋭さったらもう…
(さすがに「The Black Hole」冒頭スネアの迫力はアナログシングルならでは、でしたけれど(^^;)
特筆すべきは冒頭の2曲「やさしい都会」と「卒業」。アナログシングルは未聴ながら、
ベストやボートラ収録で聴いた印象では、この2曲だけ浮いて聞こえまいか… と不安でしたが、
その後に続く曲の流れに合うようにか、かなりアクティブにマスタリングされたのでしょうか。
演奏がぐっと前に出てきて唄との一体感が増し、まるで『
ドロップス(紙ジャケット仕様)』か
『
CONTINUE (紙ジャケット仕様)』からの先行シングルであるかのような印象さえ感じます。
この2曲、これまで以上に好きになりました。
面白い事に、Disc2では印象が逆で、当時の印象やアルバムミックスより重心が低く暖かい音に聞こえます。
丁度この頃からデジタルレコーディングが普及していったんでしたっけねぇ…
今聞くと耳に辛いかもしらん音を、現代のリマスターで柔らかく太い音にしてくれています。
ちょっとだけ不満を申し上げさせていただくと、「Lonely December」と「8月生まれ」の配置順は
やっぱり「遥かなる肖像」と「つのる想い」の間に並べ、制作順に配置して欲しかったです。
それにしても「With You」と「Forever Young」は泣ける… 薫さんの声でもっといろんな曲を聴きたかったなぁ…