男の子たちの、性的な欲望や妄想を具現化し、メディアによって宣伝、
ブロマイド、レコードなどで利益を上げる、いわゆるアイドル産業
フランスでは、フレンチ・ロリータと言うのですが、そのフレンチ・ロリータの
創始期、歌姫たちに楽曲を提供していた、シンガーソング、ライターの一人である、
フランス・ギャル(夢見るシャンソン人形)(アニーとボンボン)
フランソワーズ・アルディ(さよならを教えて)
などはゲンズブールの作品なのだ、
それではこのアルバムに話を戻そう!
この作品には歌詞カード&対訳が付いていないのが残念、解説も有るには有りますが
ごく簡単な物である、資料性は無いと言って良いだろう、
しかしこの値段で2枚組、しかも代表曲は殆んど収録されている
All Time Bestと言う事で、おすすめしたい作品である、
たぶん、
フランス語を解さない私にはゲンスブールの詩、特にダブルミーニングはわからないので、彼の魅力の半分も分かってないと思います。
フランス・ギャルが「アニーとボンボン」でまさかフェラチオの歌を歌わされてるとは気づかず、人間不信になってひきこもりになったエピソードなど「ひどいな」と思いつつ笑ってしまいましたが。かの「ジュテーム・モア・ノン・プリュ」も、てっきり「愛してる、これ以上ないくらい」というような意味とずっと思っていましたが、マガジンハウスから出てる彼の評伝を読んで、女が「愛してる」と言ってるのに男は「俺も(も、ですよ!)愛してない(愛してない、ですよ!)」なのを最近知り、ゲンスブール、深いなーと改めて思い知らされました。このCDにはバルドー版でなく、一般に流布してるバーキン版ですが、エロさはバーキン版、男のひどさはバルドー版によく出てると思います。2枚目の1曲目はバーキンのあえぎ声でなく、泣き声(シャルロットが実家に旅行した寂しさでの、です。DVではないので念のため)です。でも、それ、録音しとくのってやっぱスゲエなあ、ゲンスブール。みんなゲンズブールと発音しますが、もうゲンズブールでもいいと思います。もともと
ウクライナ(
ロシア)系ユダヤ人で本名ギンズブルグだし。生まれは
パリでも生粋の
パリジャンじゃない屈折もあるんでしょうねえ。戦争中はダビデの星、胸に着けられてたそうですし。ゲンスブール・ファンの方に聞いても、この2枚組でほぼ彼の全貌はわかるそうなので、おすすめです。あとは、いろんな女性に提供した曲のCDがを買えばいいのではないでしょうか。
90年代に
渋谷系を支持する若者のあいだで、もてはやされていたゲンスブール。しかしここ数年、一部のゲンスブール・マニアを除けば、我が国ではすっかりその名も色褪せてしまっていた印象は否めない...
が、なんと今年、ゲンスブール没後20年を記念してこの写真集が発売されたのである!文章は2008年に書かれたもののようだが(著者はジャーナリストで小説家)こうして翻訳され、20世紀最後のデカダンなオヤジに、ここ、日本で再びスポットがあてられるとはファンとして嬉しい限りである。伝記映画も公開され、2011年は日本におけるゲンスブール・イヤーといえるかもしれない。
本書の構成は「酒」「煙草」「創作」「映画」「文学」「政治」「バーキン」「バルドー」「バンブー」「醜さ」など...60のテーマで語られたゲンスブールの肖像(その大半が武勇伝)に関連写真が網羅され、300ページ近くある。年代順ではなく、テーマごとにあらゆる年代のゲンスブールが入り乱れている感じだ。当然だが写真集と銘打っているだけあって文章の比率は少ない。柔らかい文章とは言えないが、かといって難解でお堅い文章というわけでもない。
フランス語特有のニュアンスや単語の発音など、括弧書きで説明されている箇所も多い。それでも2時間あれば読み終わる量である。
写真は晩年の(すっかり小汚いオヤジといった風貌の)ものが若干多いような印象だ。女性絡みではやはりバーキンとのツーショットが多く、B.Bとのエピソードが華やかに書かれている割にはパパラッチが撮ったような写真しか載っていない。おまけに圧倒的に量も少ない(ま、関係があれだっただけに少ないのは仕方がないとは思うけれど)あと少し残念だったのはテレビ出演時のときの映像を引き延ばしたのか、ひどく画質が粗い写真もあった。ほぼすべての写真に年月日の記載があるのは大変親切である。
ファンとしてゲンスブールの写真集が出版されたことだけでも喜ばしい出来事なのだが、この本に真新しい情報を期待して読むとやや肩を落としてしまう人もおられるかもしれない。映画を観て新たにゲンスブールに興味を持った人、とりあえずゲンスブールのことを知りたいという人は、やはり、フレンチ狂 永瀧達治さんによる『ゲンスブール、かく語りき』をお勧めする。この写真集に書かれてある内容は、写真があるかないかの違いだけで永瀧さんの著書とさほど大差はないように感じられる。永瀧さんの挑発的な文章は面白く、日本語で読むなら尚更だ。
さきほど書いたようにきれいな写真ばかりではないので写真集としての価値を問われると疑問だが、ファンであれば没後20年メモリアルとして持っておいてもよい本だろう。