エレファントマンは奇形であるが芸術が好きでとても美しい心を持った青年である。 最初は怖がっていた人も彼の純粋で優しい心を持っていることに気付き徐々にふれ合っていく。 名作と呼ばれているこの作品だが僕も名作だと心から思う。 しかし☆1のレビューを観たとき非常に腹立たしくなったのだ 名作は不快にならない 感動は他の形でしてほしい きっと戦争の映画だって観てないだろうね 怖いなんて言って過去に人が苦しんだということから目を背けてさ 感動は他の形でしてほしい は?? 感動に形など必要あるだろうか?? もう2度とこのようなレビューが生まれないように祈るばかりである。
見世物小屋で人々の好奇の視線にさらされていた主人公が、ホプキンス演じる医師に助け出され、彼の助力により徐々に人との繋がりを取り戻してゆく。が、それでもなお彼を食い物にしようとする人物が次々と現れ、再び彼を悪夢の世界に連れ戻す。
そうして彼の悪夢のような日常と、医師たちのもとでの平穏な日々とが交錯するドラマを描くことを通して監督のリンチは、醜いもののなかにある美しさ、普通だと思われていたものの醜さと残酷さを浮き彫りにしてゆく。
平穏な日々を送るうち、「異形の人」は創作することのなかに生きることの意義を見出す。その姿は監督のリンチ自身を連想させる。
「異形の人」がその異形の身体を好奇の目にさらすことによってしか社会に受け入れられないように、リンチは自らの「異形のイメージ」を
スクリーンの上にさらけ出すことで世界と繋がる。監督のリンチは、そんな自分のアウトサイダーとしての心情を、エレファントマンという「異形の人」に仮託して表現したかったのかもしれない。
終盤、「異形の人」の人生最良の日となる劇場の場面で、彼の目を通して見られる舞台を描きだす映像は、リンチの作品であると同時にある意味「異形の人」の作品でもある。
空想の世界に生の喜びを見出す二人のイマジネーションの所産である、そのモノクロームの映像が切なくも美しい。