画質がよくDVDの醍醐味がある。「エグモント序曲」や、ブラームスのヴァイオリン協奏曲も良い。

　がなんといっても「新世界から」が良い。カラヤン時代とはすっかり顔が変わった若いベルリン･フィルメンバーの気迫にあふれている。アバドは病み上がり気味だが、一生懸命指揮している。

　アンコールまでちゃんと入って、コンサートの一部始終を記録しているのにも好感がもてる。CDに比べるとやや割高だが、その分収録時間も長いし綺麗な画質で綺麗な音楽を聴きたいなら損はしないでしょう。

ハイドンではエッティンガーがチェンバロも担当して弾き振りを披露している。

シャハムの奏する二楽章冒頭のへ調長音階がこの上なく美しい。

ブルッフはシャハムは10代の頃にシノポリと協演したCDがあるけれど

その時よりもパワフルに仕上がっているように感じた。

シャハム、エッティンガーは互いに鼓舞しあって熱く強い音楽を作り上げ

精神性と外面的な要素が噛み合って、聴く者を捉えて離さない演奏に仕上がっている。

ベートーヴェンはオーソドックスに真っ向勝負。

IPOのメンバーのソリストとしての力量にも感心させられた。

熱くなりたい人におすすめの一枚。

ちなみにDVDカバーのシャハムの綴りが

私の買ったものは「Shacham 」と誤植されていて

いつかプレミアが付くかな〜と期待している。（笑）

このチャイコフスキーのヴァイオンリン・コンチェルトを初めて車のＦＭ放送で聞いた時、あまりの音の輪郭の輝くような煌めくような明確明晰さ、そして演奏の閃くようなノリの良さ素晴らしさに、家に帰り着いて車を停めても運転席から降りられず、ガレージの中で最後まで聞きました。もう無茶苦茶です。

ギル・シャハムらしい若々しい漲る知性と深い教養そして本来の体の髄にまで染み込んだ音楽性芸術性。是非一度ご試聴ください。