数あるエヴァのアルバムの中で、ヴォーカルメイン(オンリー)の1枚。
林原めぐみさんの新曲も収録されています。
おなじみの「残酷な天使のテーゼ」と「魂のルフラン」は、アルバムや、シングルに収録されたヴァージョンに加え、10th ANNIVERSARY VERS
IONを新たに収録、必聴です。
エンディングの「FLY ME TO THE MOON」も、通常版(?)に加え、アルバム「ADDIT
ION」収録の、MISATO・Rei・ASUKA VERS
IONを収録、選曲も文句無しですね。
ファンならずとも、1枚如何でしょうか?
このアニメ、すごすぎる。初めのほうは普通のロボットアニメ(まぁ、シンジの葛藤のすごさはあるが)ふうみなのだが、十六話あたりからなんだかものすごいことになっています。
シンジとアスカ。特にこのふたりを徹底的に追い詰める。後半なんか、シンジとアスカの戦いはあまりに痛々しすぎてみているですらつらいくらい。
絵も音楽のセンスも演出の一級。神話からモチーフをいただきまくったSF設定から謎が謎を呼ぶ意味深な物語。そのすべてを解決するのはほとんど不可能だけれど、だからこそ楽しめる。
登場人物たちはなんだかみんなトラウマをかかえまくっていて、まさに屈折した14歳の(ダークな)深層心理をこれでもかというくらい描いてしまった。以降のいわゆるポスト・エヴァンゲリオン症候群と呼ばれるセカイ系の元祖で、間違いなくアニメ史に残る作品でしょう。
他人に認められたとエヴァに乗り、それだけが自分の存在理由となっていく。簡単に言えば、主人公がアイデンティティを確立するまでを描いた作品なんだけど、25話、26話をあんなふうに持ってくるとは誰も予想しなかったでしょう。精神衛生上、よろしくない作品だが、間違いなく面白い。
ファースト「エヴァ」のサントラのは1~3の3種類が存在する。全て聴いてみたが、「芸術的」という観点から「2」が最も優れていると思う。アニメのサントラとしてはやや重い感じではあるが(そういう意味では明るく楽しい「1」が最も優れている)、吹奏楽器と弦楽器によって奏でられる荘厳な調べは、まさに「クラシック」な趣があり、作曲した鷺巣氏の才能に感服する。
アニメファンだけでなくクラシック音楽好きにもおススメです。