フランス人のステファン・ポンポニャックによるエレクトリカルでリズミカルなラウンジ・ミュージック。ダンス・ミュージックほど派手さはないが、静かに落ち着いているわけでもない。さまざまなサウンドやヴォイスが浮かんでは消え、ひとところに落ち着いていない感じ。自己主張をしながらも邪魔をしないので、デスクワークにも合いそう。

ステファン・ポンポニャックは、90年代後半から「hotel costes」シリーズで一世を風靡したＤＪですが、
やはり彼の審美眼は並大抵のものじゃないです。このＣＤは昼と夜をテーマに2枚に分かれているのですが、
そんなベタなテーマでも、全く安直にならず、まず世界には、こんなアーティストがまだいるのかという
驚きを与えてくれるし曲の並べ方の巧さにも感服させられます。
昼のテーマはアコースティックなのを基調としているのに対し、夜は打ち込みの曲をピックアップしているのですが、
一貫しているのはクールで洗練されたムードです。
それでいて全体で聴いた時に、決して単調にならず、心を捉えるポップさも持ち合わせているところが、
何より彼の凄いところです。今更ステファン・ポンポニャックのＭＩＸＣＤかと思われている方にこそ、
彼の凄味を改めて感じることが出来ると思うので、ぜひ聴いてみて頂きたい作品です。