故郷の悲劇を知らずに大人になってしまいました。
齢60歳で、この本によって初めて150年近く前
の理不尽な悲惨な歴史を知ることができました。
この長編は、一応小説の体裁にはなっているものの、
いろいろな
明治維新前後のドキュメンタリー本と作
者自身の取材で得られた情報に埋めきれない部分を
作者の想像で補ったものです。
従って、一般的な小説と思って読むと、少々退屈で
あることは否めませんので、その点を事前に承知の
うえご購入されることをおすすめします。
私が、この小説で感じた点は次のとおりです。
'1
明治維新とは、日本が近代化するプロセスの中で
最悪の選択肢で強行されたものであった
'2 長州(プラス一部薩摩)出身者、それも決して優
れたとはいえない人物によって日本が動かされ、
二度の対戦の悲劇や今の安倍某に至るまで取り返
しのつかない150年の愚かな政治が今も続いて
いるということです。これ以上日本がダメにならな
いよう
大久保利通の縁戚に連なる人物は早期に政界
から追放されるべきだと思います。先祖は立派だっ
たのに残念なことです。
教科書を含め、従来の近代日本史の歴史観は薩長か
ら見た身勝手な脚色が色濃くなっていますので、
客観的な日本の近代史を知る上で、本書を読まれるこ
とをお勧めします。