雑然とした文章に雑然とした構成に雑然としたキャラクター群。 とてもこれが小説の賞を取った作品だとは思えなかったが、 すでに出ている結果だけを見ると、著者は重版+三島賞+映画化作家になっていらっしゃるようなので受賞は正解だったと言える。 単純にこれを選んだ当時の選考委員がスゴいと思ってしまう。
さて、レビューというか感想だが、とにかくイライラする。 そのイライラ感は良くわからないが、あえて分析的に語ろうとするなら、この小説自体がイライラさせるように書かれているからだと思う。
まずキャッチフレーズの「本書は「ああっお兄ちゃーん」という方に最適です(嘘)」にイライラするし(特に括弧付けの「嘘」に)、それは端的に、「マジメ」といえば、色々語弊がありそうだが、面倒だからあえて言うと、「マジメ」なものではないですよこの小説は、という言い訳、もしくは予防線的キャッチにしか思えないところにイライラする。
サブカル的な、というかオタク的な要素もいろいろ出て来るが、リスペクトやオマージュ的な扱いではなく、アイテム的にポンと出て来るだけで、まあ僕は生粋のオタクではないんですよ、ちょっと使ってみただけです、本当は『ドグラマグラ』だって読んでるし、サリンジャーが好きなんですよ、てへぺろ的な使用法もイライラする。
物語の収束の仕方も、ふんだんにイロニックというか、皮肉的で、主人公「鏡公彦」の物語ではない、などと他キャラクターに言わせたり、僕は安易な物語に抵抗しているんだという意思ならざる照れ隠しが垣間見え、当時二十歳という事を考慮すれば可愛いと言えるかもだけど、イライラした。
総合的に言うと、安易さやベタさ、それは先人たちが錬磨して来た方法論とも言えるし、それを受け止め、または受け入れ鍛えながら新たに作って行くのがエンタメで(文学もある意味そう)、単にベタを恐れる必要などないのだが、この作品では少なくとも、強迫観念的なベタへの恐怖と言うのが全面的に見える。要するに気持ち良くない。だから、イライラする。妹が生きていたなどというオチがなぜ必要か? それは、幻想的な偶像である妹像(フリッカー)を崩すためなんだけれど、当てこすり感が出ない。そんなのそれまでに充分わかってるし、別にいらんだろ、イライラする。
けれど、こんだけイライラしている感じがある小説は珍しく、 逆に言えば、この作者ってスゴいんじゃね? という気がしてくる。 だから本当は星を五つ付けたかったのだけれど、なんかイライラするから三つにしておきます。
嘘だけど。
まだまだ〜純粋な世界へ連れて行かれます。 「今は昼下がり」など、なんと言ったら良いのか〜 その儚い 声と 詩に、胸が熱くなり〜 ぜひぜひケメの柔らかい世界に行ってみて下さい〜 今の人たちにもこの感性を感じていただきたい〜。
正直この小説を読んで面白いと言える人間は余程ひねくれているか、 既存の物語の形式に飽き飽きしていると思う。 最後まで読んで小説を壁に投げつけるのが普通の反応な気がする。 理由はこの小説がどのジャンルの文法にも属していないからだと思われる。 ミステリかと思いきや事件の謎を謎とすることもなく、 読者の期待を裏切る前に形成させておく予想すら立てさせない。 ライトノベル的なキャラクタ造詣をするかと思えば、主人公が文学的に苦悩する。 文学かと思いきや反則的とも感じられるオチで読者の視界をぐらつかせる。 どれかのジャンルにある程度習熟してから他のジャンルの要素を取り入れるならわかるが、 作者はどのジャンルに習熟しているわけでもないと思う。 そのせいで怪奇小説ならぬ、どれも半端な奇形小説になっているというのが正直な感想。 面白さ基準で言えば星二つが妥当な気もするが、 他の小説にはない眩暈を感じさせてくれるのも事実なので星三つ。 ただこのクレイジーな小説を出発点とする作者の将来期待は星五つ。
久々に"隠れたダイナマイトボディVシネ女優"の井上尚子サンが序盤で谷間揉まれと喘ぎ声をちょっとだけ披露しています。 当時34歳で、乳首は見せませんが、この女優サンの他作品を調べたくなる事間違いなし! 柔乳好きにはたまらないシーンとなっています!。
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