同作品が公開されたのは91年。当時のテレビCMはミシェルファイファーとアルパチーノが生花店をバックにキスをして「プリティーウーマンのゲーリーマーシャル監督が描くNY大人の恋物語」というナレーションが流れているというものだったように記憶している。「スカーフェイス」のペアだったこともあり気にはなったが、正直、
タイトルと予告で物語を想像してしまい映画館まで足を運ぶに至らなかった。
あれから12年経った今年7月、深夜泥酔して帰宅するとテレビでちょうど日本語吹き替え版の同作品が始まるところだったので何げに鑑賞。吹き替え版に嫌悪感すら抱いていた私だが、酒の力も手伝ってジ~ンと効いた。
「2度と恋などしない」と心を閉ざす女が、自分へ本物の愛を積極的に求める男との恋にためらっているという、扱われやすいストーリーなのだが深夜番組枠で観ると妙にハマる。
そう、劇中の2人がどうしようもなく不器用なのだ。故に、お節介に似た感情で最後まで見届けてしまった。
邦題のネーミングがストレート過ぎて毛嫌いする人もいるかもしれない。
原題「Frankie&Johnny」が意味する相性の良さそうな名前の2人が主人公だと言う知識だけで観てもらう方が、ギャップがあって作品を楽しめると思う。
早く立ち直らなければならないと悩む、傷心の女性にオススメの「深夜作品」ではないだろうか。
甘い口説き文句なんて死んでも囁いてくれそうにない強面の
弁護士と(「名器だ」「やらせろ」とは平気で言うんですけど)、彼に身も世もなくのぼせあがってしまうちょっと遊び人の大学生のお話。
冷静に読み返してみると、これといった大事件が起こるわけでもなく、ただただ二人の関係が少しずつ変化していく過程が描写されているだけなのですが、書き手が上手いのでしょうね。読者の興味をそらすことなく最後までドキドキさせられます。
小生意気で世慣れた、でも案外純情(単純?)な青年もいいですが、この小説の最大の魅力はなんと言っても神谷
弁護士。傲慢でクールで我田引水、一方的に青年をたぶらかし(笑)翻弄しておいて、自分は仕事が最優先。・・・と書くといやな奴ですが、実は愛情表現が苦手で不器用なだけなんですね。本当は若い恋人にベタ惚れで、こんなにおまえが大事なのに何でわからないんだ!って焦れて勝手に怒り出すタイプ(はは)。
強引でオトナで、途方もなくかっこいい神谷先生にはまっちゃうことうけあいです。
ラブストーリーですがベタベタと甘い内容ではありません。どちらかといえば現実的です。フランキーもジョニーも、それぞれ過去に辛い思いをしており、それを背負って生きている、ごく普通の人たち。でも何故でしょう、甘ったるいラブストーリーより惹きこまれるし、とても心を打たれます。ネイサン・レイン等、脇を固める役者さんもいい味を出しているし、パチーノもコミカルな演技の合間に哀愁を漂わせたりと、中々素敵。ミシェル・ファイファーがラストで見せる演技は、もう涙なくしては見られません。適齢期を過ぎ、過去にとらわれて臆病になっている女性の弱さがひしひしと伝わってくる素晴らしい演技です。派手ではありませんが、秀作。Happy endingなのが更にいいですね。私のお気に入りの一本です。廉価版発売という事ですので、この機会に是非♪
なんと言っても頑なだったフランキーが最後に自分の過去を告白し、泣き崩れるシーン・・・ミシェル・ファイファーは巧い。私は息ができなくなった。フランキーと全く同じではないが、辛い恋愛を経験した私にとって、フランキーは私の分身のようで、あのシーンでは胸が痛くて苦しくて、涙が止まらなかった。これをラブコメと呼ぶ人もいるかもしれない。HAPPY ENDINGで安心したけど、情熱的に迫るパチーノの時折見せるコミカルな演技、でもその裏に隠された暗い過去・・・この二人無くしてはかもし出せない雰囲気をもった作品。ジョニーみたいな恋人がいてくれたら、世の女性はどれほど幸せだろうか、そんなことをふと考えたりして・・・心に染みますよ・・・オススメ。