絵柄もエッチシーンも、過去のlilith作品と比べても遜色はありません。
(淫語は控え目ですが)
テキストもSDキャラのカットインが入ったりしてなかなか楽しめました。
ただ残念なのは、いわゆるハーレムエッチが無かった点です。
この
タイトルのシチュエーションからしてあって当然、と思っていたので・・・。
その一点で★一つ減らしました。
ぞくっと来る女と愚かで愛らしい男が右往左往する事が傑作の条件と信じている人間にとってはたまらない。小品佳作とはまさにこの映画のためにある言葉と言って良いだろう。
登場人物がどれもアブノーマルなのに、凄くノーマルに描いている西村監督の手腕には敬服せざるを得ない。
津田寛治演じるストーカーも異常者でなく、ただ愛し方を間違えた男として描いているのもリアルだし、彼が執着する女性サユリに「スパイ」として近づいているうちに彼女に恋してしまう(!)愛葉るび演じる女の子ナオもかっこいい。彼女の「恋」もこれまたストーカー的。「望み」をかなえたくて繰り広げる凄まじい壊れぶりが痛快で切ないからたまらない。
サユリもストーカー非難しながらしっかり自分も壊れている。これも一見堅実そうに描いているからまた面白い。エリック・ロメールの「クレールの膝」風にサユリとナオを結びつけてしまうさまが美しさは比類ない、魅力的なエロスに溢れている。
津田寛治のストーカーの演技も素晴らしい事ながら、街田しおんの大胆な演技が観るものをわしづかみにする。愛葉るびもピンク映画に出ている彼女よりもこちらのほうがのびのびと自分の力を出し切る演技ぶりで素晴らしい。俳優が輝いている事のすばらしさに心地よく酔える一篇。