中学生のころNHKでやったのを録画して,大晦日には毎年見ていた.戦車戦を主にメッサラとの出会い,ガレー船など男らしいところばかり覚えていた.
それから20年余りたち,この一年”
ローマ人の物語”やドストエフスキーを読んで,キリスト教のヨーロッパに与えた影響について強い興味を持つようになった.そしてこのたび聖書を読んで,ますます勉強する気になっていたところ,この名作映画が1575円になっていた,即購入.
昔を思い出し正月に鑑賞,しかし昔の記憶と違って,最初からイエスのことばっかり描いている,こんなにイエス出てきたっけ?,副題どおり基本的にイエスの人生を描いた映画だった.大人になって,キリスト教の勉強をしてから見ると,子供のころの記憶にあるスペクタクル映画とはまったく異なった新しい楽しみ方が出来た.
やはりCGは画面を安くすることを再確認,背景のマットペインティングは古典の油絵を思わせ,むしろ前景の力強い俳優たちを伝説の時代につれていっているようなすばらしい効果をみせる.
一部のすきもない最高傑作,星五つ以外あるまい.
レーベル面にベンハーとメッサーラの両方の戦車が
プリントされているのがなんかいいかんじ♪ベツレヘムの星、何度聞いても泣ける。
三賢者のキリスト礼拝から話ははじまります。
ひたすら長い映画をビデオで見た時には戦車競技が迫力でそこのシーンしか覚えていなかったけど、本で読んでみればとても宗教色の濃い話だった。
ローマの支配下にあったユダヤの地で、裕福な貴族だったベン・ハーの家族が事故をきっかけに追い落とされる。
ガレー船漕ぎの奴隷に落とされたベン・ハーだったけれど、
ローマ人に養子とされて故郷へと戻ってきた。
有名な戦車競技で復讐を遂げたあとは、ユダヤ解放のため
ローマの軍隊から学んだ知識と技術を用いて反乱軍を作りあげる。
しかしキリストの教えを知るにつれて、自分の望む道とキリストの教えは違うのではないかという疑問に悩む。
ユダヤ人の
ローマからの解放を待ち望むメシアへの期待と、イエスが説く天への希望の間で思い悩むベン・ハーの姿が見事に描き出されていた。
信仰というテーマを小説化した名作でした。