まったりした
大阪弁の詩が、心の原風景に響きあって泣けてきます。
八千草薫さんのほんとに優しい語り口とBGMが増幅させてくれるのでしょう。秋の夜長にじっくり一人で聞きたいですね。
この作品は高校生のときにオンエアされて学校でもかなり話題になった。それは原作を読んだ人も読んでない人もその衝撃的な内容をどのように日本的なドラマするのかというところに釘付けになったのは事実だった。
DVDがリリースされて再度観てみると、1回ごとに謎が深まり話に引き込まれる展開は素晴らしいし、エラリー・クイーンの原作を日本的ミステリーに雰囲気を見事に変えた佐藤勝の音楽も最高だった。
難を言えば、後半犯人が原作とは異なり暴走し始めるところが、説明つきにくくなってしまっていてチョッと納得行かないところがあったところか。
原作の
探偵ドルリー・レーン役で耳の聞こえない元俳優を石坂浩二が好演。脇を固める
夏目雅子も花を添えているだけではなくラストに「夏なのに長袖を着ているのは心が冷たいから」と批判的な発言を石坂に浴びせるところは心に残った(この言葉は初見の時からかなり印象的で覚えていた言葉だ)。
全体的に原作を上手くアレンジし、音楽で日本的な雰囲気を盛り上げたなかなか面白い作品だと思う。最近ではこのようなクラッシックな雰囲気の作品はなかなか観られないので貴重な逸品かもしれない。
DVDとしては画像が当時のTV映像のままなので若干悪い気もするが、それは作品の出来に免じて許してしまいましょう。