本書はある「石」に関する特許をめぐってのミステリーである。登場人物は実に多彩で、ハッカー、
弁護士、CIA、通産省、コングロマリット等々で、それぞれが複雑に絡み合い話が急テンポで展開されていくのだが、文句なく
面白い。著者は元ジャーナリストだが、前作の「龍の契り」での歴史記述といい、本作品の特許に関する記述といい、専門家並みの厚みがあり、思わずのめりこまされてしまった。間違いなく一級の作品である。
別CD『Sunshine Groove』の対句にあたるCD。昔ほど目立っていない彼だが、このアルバムを聴くと改めて彼の実力に驚かされる。
バラードのベストアルバムとあって、聴いていると心が癒されるように感じるのは私だけだろうか。お勧めは「HIGHER SELF」と「水たまりの太陽」。この2曲は彼の
バラード路線の重心とも言える名作と言って過言ではない。マキシシングルでも発売されているので、音質重視の方にはそちらもお勧めしたい。
中西圭三の心の優しさが満ち溢れた名盤中の名盤。ファンでない方にも是非お聴き頂きたい一枚だ。