本書では、富士メガネ、亀田総合病院、埼玉種畜
牧場「サイボクハム」、アールエフ、樹研工業、未来工業、沖縄教育出版、ネッツ
トヨタ南国が紹介されている。それぞれの企業自体は素晴らしいが、筆者が紹介した各社の、共通のコアコンピタンス等をもう少し詰めて欲しかった。
高い理想を揚げても採算性の問題から継続困難になる事業体も多い中、どうしたら危機を乗り切れるのか、等は
起業予備軍にとっても関心事である。
高齢者用の靴、お客様主義のタクシー、MEBO(経営陣と従業員による株式買取)、精神障がい者による出版、等々。この本に紹介されている会社の経営者に共通しているのは、雇用重視、お客様重視、生活弱者重視などの企業理念を高く掲げて、その実現のために、常識にとらわれない果敢なチャレンジを続けていることです。そして、そういった「業界の常識」が、あるときは常識ではなく、単なる思い込みや思考の怠慢にすぎないということも分かります。