1999年のTVドラマ「プリズンホテル」の挿入歌。
作詞は
武田鉄矢さんですが、原案は上記ドラマを書かれた浅田次郎さんということで、これまでの海援隊の曲とは違った雰囲気の1曲。
間奏の笛の音も、しっとりした雰囲気で良い。
C/Wの「友、遠方より来る」は、”いつもの海援隊”の曲の感じで、武田さん世代へのメッセージソングです。
金八先生のテーマ曲しか知らない人にも、是非聴いて欲しい一枚です。
ここは、とある温泉郷。
新幹線駅からも高速道路からも遠く、ひなびてしまった温泉街に、一軒のホテルがありました。このホテルが少し変わっているのは、経営者がその筋のかたで、お泊まりに来られる方々も極道業界の方が多い、ということです。
――なんだか、マンガみたいなこの設定。
こんなギャグみたいなホテルで、どんな物語が進行すると思いますか?
そうです。
もう「ユーモア小説」を超えた「お笑い小説」の始まりはじまりです。
ホテルには、“その筋”の宿泊客の他に、「奥湯元あじさいホテル」という名前にひかれた老夫婦(一般客)もやってきます。
定年退職を迎えたばかりの亭主は何も知りませんが、積年の不満がつのった夫人は熟年離婚を決意しており、バッグの底では離婚届が出番を待っています。従業員もワケ
アリの人が多く、中には、大手ホテルチェーンから左遷されてきた者どうしが再会を果たす、という小さなドラマもありました。
一家心中しそうな家族がやってきて、前のオーナーの地縛霊が姿をあらわし、ワケ
アリな渡世人と作家の秘書が再会の涙を流し。
嵐の夜のホテルは、グチャグチャ、ドタバタな展開に……。
浅田次郎は、『鉄道員(ぽっぽや)』や『壬生義士伝』のように、人情味あふれる小説を書く人ですから、まさかとは思ったのですが……。
いやぁ、笑えること笑えること。
浅田次郎は、実はお笑い小説出身だった! という(知らない人には)新らしい発見をお楽しみください。