守護神伝 完全版
HELLOWEENの代表作であるKEEPER OF THE SEVEN KEYSのPART1,2を二枚組みセットにして発売したアルバム。内容は当時の売りであったスラッシュメタルっぽい楽曲から、ジャーマン・メタルを確立したメロディック・パワー・メタルまで広域です。ボーカルは若き天才、マイケル・キスクだけにどの作品も聴いていて安定感がたっぷりあります。スタイルの好みはあるかもしれませんが、カイやヴァイキーのメロディをしっかり堪能するには抜群のボーカリストだと思います。また、カイとヴァイキーのギターの絡み合いも抜群です。このジャンルの音楽が好きな人や、アンディ以降のハロウィンからファンになった人にも最適のセットだと思います。ボーナストラックとして当時のシングルのB面収録曲だったハロウィンらしいDON'T RUN FOR COVER、高いポップセンスを垣間見せるLIVING AIN'T CRIME、そしてパワー炸裂のSAVAGEが収録されています。
パスト・イン・ディファレント・ウェイズ
アルバムを通して聴いた感じだと、良くも悪くもキスクですね。
今のキスクにメタルを期待しても仕方ありませんよ!
HELLOWEENを聴きたいならオリジナルを聴けば良いし…Keeperの続きを望むなら
AVANTASIAでも聴くべきです。
本人も言っていますが、今作に収録した曲はHELLOWEENでも、キスク本人のみが作曲したナンバーを選び、そこから装飾を取り除いた形でオリジナルと対極にあたるアコースティックに拘ったそうです。 またオリジナルが最高にロックしているからとも言ってます。
よってHELLOWEENのセルフカバーと言っても、カメレオンからの収録曲が大半を締めていますし、サプライズ的な事は一切ありません。
しかし、私にはどの曲も輝きを失ってはいないと感じますし、本当に17、8歳でかいた曲とは思えません!!
むしろ現在のキスクの持ち味である中音域の歌声を生かしたアレンジや、オーケストレーションの導入などにより、当時のバージョンを越えている楽曲すらあると思います。
アレンジはかなり変わってはいますが、#1のYou Always Walk Aloneでのメロディーの歌いまわし、より壮大観の増した#3 I Believe、エンディングで劇的に盛り上げる#4 Longing、アコースティックでのロックンロールに進化した#6,9 Kids of the Century、A Little Timeなど聴き所は満載です。
またWe Got The Lightのソロでのユニゾンを残した所などに、キスクなりのHELLOWEENへの敬意を感じることも出来たりもします。
新曲である#11もキスクらしいナンバーですし、国内盤はボートラとして#12にも新曲が収録されています。
何度も言わせていただきますが、これはHELLOWEENのアルバムではありません!
MICHAEL KISKEのソロアルバムですよ!!
ミュージシャンならば進化するのが当然ですし、彼が再び過去と向き合ってくれたことに敬意を表したいです。
彼のソロ作の入門として間違いなくお勧め出来ると内容だと思います。
このアルバムを聴いて失望したと言う方は、もはや彼のファンとは名乗らないで頂きたいです…
トゥ・ザ・メタル
感じとしては7thに一番近い。一曲一曲がコンパクト。
キスクやダークが歌っていたりバラエティ豊富でミドル曲の出来がよいので飽きない。
I want outやShine onといったセルフパロが多いのもある意味聴きどころ。
ただ、Dethrone TyrannyやFight、Mother Earthのような一撃必殺曲がないので物足りない印象を受けてしまう。
♯3 Time TO Liveや♯5 Riseにもうちょっとパワーがあれば・・・と思ってしまう
リーディネス・トゥ・サクリファ
「僕は生粋のメタルマンじゃない。」キスクがハロウィンを抜けるときに言った言葉です。
彼のソロの一作目は、こんな曲をやりたいなら、ハロウィンを抜ける必要があったのか?と正直思いました。メタル界を震撼させた美声は影を潜め、キスクを崇める私でさえ失望を隠しきれませんでした。
しかし!!!!!二作目となるこのアルバムはヤバイ!一言にポップと表現してしまってはキスクに失礼だと思います。彼はメタル界を抜け出し、超一流の単体ボーカリストとして、もう一度私たちの前に現れてくれました。メタルの楽曲が無いと非難するのではなく、メタル界のボーカリストとして、単体ボーカルという立場で、世界の名だたるボーカリスト達に宣戦布告した彼を、称賛すべきだと思います。
かの名曲イーグル・フライ・フリーが生まれたのは、キスク特有の伸びやかなハイトーンがあってのもの。彼は、当然それを自認していて、この作品中でもその才能をいかんなく発揮し、楽曲自体も最も自分に適したものに仕上げられている。まるで曲を通じて「これが僕の作り上げたかった世界なんだ!」と語りかけてくるかのようだ。キスクのメタル界復帰を心待ちにしていた私も、この作品を聴いて、彼のメタル界復帰を諦めました。いや、この作品を通じて、彼の心からの叫びに、自然と納得させられてしまいました。
キスクの偉大さを知る者、メタルに興味が無く、まだキスクの奇跡の歌声を知らぬ者。この作品は、全ての人に至福の47分間を与えてくれる、「必聴のアイテム」です。
インスタント・クラリティ
1996年、Michael Kiskeのソロ・1stです。
HELLOWEEN脱退後にリリースされた、ソロ・アルバムで、
HELLOWEEN「Chameleon」にあったような、多彩さを引きづった作風になっています。
HELLOWEEN風で疾走感のある、tr. 2 "The Calling"
たそがれた雰囲気で、しっとりと聴かせるアコースティック・ソング、tr. 4 "Burned Out"
Bruce Dickinsonが歌えば、IRON MAIDENになりそうなメタル・チューン、tr. 5 "New Horizons"
亡きIngo Schwichtenbergに捧げた、ピアノ弾き語りバラード、tr. 7 "Always"
9分超に及ぶ大作、tr. 11 "Do I Remember a Life ?"
。。。あたりは、結構気に入っています。
演奏は、
Michael Kiske (Vo, G), Ciriaco Traxes (G), Kay Rudi Wolke (Dr, Key, G), Jens Menci (B) です。
ゲストで、
Kai Hansen (G on 1,2,5,8, HELLOWEEN, GAMMA RAY), Adrian Smith (G on 2,5,6, IRON MAIDEN) が参加しています。(作曲面でも)
ただ、HM/HRと言えるのは(2)(5)くらいで、
他は、Pops、(普通の)Rockの雰囲気で、ミドルテンポで聴かせるタイプの曲が多いです。
曲の方向性が多彩なのはいいのですが、正直なところクオリティー的に「?」な曲も多く。。。玉石混合なアルバムです。
「HELLOWEENファン」「HM/HRファン」には、「☆2〜3」くらい、
「Michael Kiskeファン」「HELLOWEENの『Chameleon』OK!な人」には、「☆4」くらいになると思います。
。。。ということで、中間とって「☆3」とさせていただきました。
(参考)
日本盤は、ボーナストラック「A Song is Just a Moment」収録。