デリカテッセン
映画『デリカテッセン』ファンには、もう説明の必要なし。あの雰囲気そのままです。 映画を見てない人も、収録曲は耳に覚えがあるはず。テレビ番組のBGMで時々使われています。「スパスパ人間学!」という番組で脳の仕組みを説明する時の、ダメ人間っぽい曲や働き者っぽい曲の元ネタがこのアルバムです。 一番好きな曲は、映画でドミニク・ピノンのミュージカルソーと肉屋の娘マリー・ロール・ドゥーニャのチェロが奏でる「DUO」。ミュージカルソーって、横山ホットブラザーズがノコギリをたたいて「おまえはアホか」とやる、あれです。CDのライナーノーツには「たぶんサンプリング」って書いてあったけど、違うと思うな。 ほかにも、ベッドの軋みを直すシーンで流れてくるハワイアンも入ってるし、ドミニク・ピノンと肉屋の愛人がうっかり踊っちゃう時の曲も入ってるし、買って損はないです。ハワイアンあり、アコーディオンのおしゃれな曲あり、それが面白い曲順に配されていて、映画を見ていない人も楽しめるアルバムです。
デリカテッセン 【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD]
他の方のコメントを読むと、DVD化での字幕の粗さで評価を下げたようですが、なかなかどうしてジュネ監督の異才ぶりが遺憾なく発揮された代表作です。仏語翻訳の字幕についてはあまり問題視しないほうがよいでしょう。英語作品でも、明らかにこれは…、と思われる極めて酷い字幕はたくさんありますから。むしろ、ジュネのこの世界観が理解できない方には駄作と映るようですが、全編セピア色を基調にした退廃的映像に、人肉を売る怪しげな店を中心にグロ的なスパイスをたっぷり効かせ、そこの住人の摩訶不思議な群像劇が展開されるという、今までにない独特の味わいを持つ作品はもっと評価されてもいいと思う。91年の公開当時、フランス内外で物議を呼んだものの、セザール賞4部門を独占するなど高く評価されていることからも作品の独自性が理解できるのでは。その異才ぶりゆえにハリウッドからの強い要請で「エイリアン4」を監督したりもしているが、どうもハリウッドの水に馴染まなかったようで、再び本国フランスに戻り、後に「アメリ」を発表して作り手としての別の一面も見せている。個人的予想に過ぎないが、恐らくこのDVDは今回で絶版になるかもです。もし、どこかで入手できるなら今のうちにどうぞ。