アリアではじまる聖譚曲求愛者は聖女に殉じる (角川ビーンズ文庫)
アリアは最後までアリアでした(笑)
前の話の『紅玉の契約』シリーズの時もそうでしたが、ヒロインの性格という点では、とても面白い話であると思います。
ただ、前回の連載よりは大分マシでしたけれども、話がややこしい感が少々ありますよね。
今までも、伏線を張っていたのを明らかにしていっているのは分かっているのですけれども、伏線がサラリと読み流せるくらいに印象が薄かった所為で、アレコレと説明されつつ話が進んでも、『そうか、あれはこういう事だったんだ!』と思うよりも、『ああ、そういえばこんな事もあったっけ』という程度で、あまり驚きは少なかったですし。
…まあ、これについては管理人の頭の出来という点もあるのでしょうけれども…(汗)
最終巻という点で伏線ネタバレのオンパレードでしたけれども、今まで張られていた伏線がストーリーの主軸から離れた所で開催されているものが多かった所為か、どうにも言われて思い出す、という感じでした。
…まあ、ストーリー的にも、未熟な部分は矢張りありましたけれどもね…(汗)
でもまあ、許せる範囲だったかと思います。
ストーリーの最後はとても納得できる形で終わっており、チョットこの後短編集でも出てチラッと続きやってくれないかな〜と思ったりもしましたけれども(笑)
落とし所としても上手かった。
ツッコミ所は多々あれど、楽しく読めるという点では大満足な話だったと思います。
ただ、一つ不満があるのなら、是非とも16歳のアリアとヨウコの挿絵が欲しかった…(笑)
長嶋監督20発の往復ビンタ (小学館文庫)
人が大きく成長する、とてつもなく頑張れるのはなぜか。その一つがここに書かれている。西本氏が頑張ったのは「こいつのために」と長嶋監督のためのようだ。その辺りのことが良く書かれている。また彼の誠実な人柄がよく分かる文章。その他、高校時代の西本と江川が写っている、かなり貴重な写真も掲載されている。あとがきに、彼のライバルだった江川と定岡が文を寄せているのも楽しめる。
西本聖 敵(ライバル)を作って自分を活かす
西本聖という男は相手がどう考えていようが露骨にライバル意識をむき出しにする男である。
ジャイアンツ入団当時は人気の定岡を、先発ローテーションに入ってからはエースの江川にライバル意識を燃やした。
マスクでかなわない定岡に対しては星飛雄馬ばりのダイナミックなフォームを見せつけた。でも所詮は見せかけだけのフォームなので一試合に一度か二度だけで後は普通のフォームで投げた。シュートピッチャーの西本はストレートのスピード、伸び率では江川にかなわなかった。そこで江川が苦手な守備力に目を付け、ゴールデングラブを目指しどんな打球にも飛びついた。
シュートはゴロになることが多いので守備力は大いに役だった。
一時は江川を差し置いて沢村賞まで手に入れた西本。しかし人気は二人には及ばなかった。チーム内にライバルを求め、努力を見せつけたところに反感を持つファンも大勢いた。
アリアではじまる聖譚曲 征服者は聖女を誘う (角川ビーンズ文庫)
ちょっと百合なおさななじみの耀子ちゃんをかばって、黒塗りのリムジンに拉致されて向かった先は…異世界だった!!
とっても面白かったです。一番面白かったのが、主人公の性格。
精一杯頑張って、聖女じゃないことを証明してやる!っていうところが、笑ってしまいました。
周りのお相手候補も、敵国の王弟だったり聖女の騎士だったりと美形ぞろいで楽しんで読めました。
ただ、他のレビュアーさんも書いてましたが文章にくせがありました。
かなしくて。
切なくて。
涙が流れた。
みたいな、文章の書き方がおおかったりするのでちょっと気になったかな。
お話はよく練られてあって、黒幕はへぇ〜と思ったし恋愛に偏りすぎてないところもよかったです。
もう完結済みで、全て読み終わったあとですがもう一度読み直したいなって思えるお話でした。