スカイ・ハイ(紙ジャケット仕様)
2006年Castle盤の焼き直し、ライナーノーツにデータは無い。残念ですが!Duffy Powerをvoに迎えた本作は、1965/4〜6月の録音、発売は1966/4月。メンバーはTerry Cox(ds)、Danny Thompson(b)、Alan Skidmore(ts)、Chris Pyne(tb)の布陣。ボーナスのBBCセッションは4つに分かれている。#16 1965/4/21録音、Herbie Goins(vo)、Ray Warleigh(as)、Nigel Stanger(ts)、Brian Smith(ts)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)で1972年[Bootleg Him]で紹介済み.#17,#18は1965/5月の録音でAlan Skidmore(ts)、Chris Pyne(tb)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)の布陣。#17は、1972年[Bootleg Him]で紹介済み.#19〜#23は1965/12月の録音でRay Warleigh(as)、Bernie George(bs)、Chris Pyne(tb)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)の布陣。#21には、Brian Auger(og)が参加している。同時期の音源[Honesty]は[Bootleg Him]で紹介済み。又、#21#22は[The BBC Radio Sessions]で紹介済み。#24#25は1966/1/22録音、メンバーは、Ray Warleigh(as)、Chris Pyne(tb)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)の布陣。同時期の[Blue Mink]は[The BBC Raidio Sessions]で紹介済み。ライナーノーツにあるDuffy Power[Innovation]RPM D320、是非聞いて欲しい。1965〜1967年の収録で、4つのセッションに分かれており、John Mclauglin、Jack Bruce等が参加しておりDuffyの素朴さ、力強さが出ている好作品ですよ!
ブートレグ・ヒム!(紙ジャケット仕様)
ブリティッシュブルースロックという、純粋なアメリカの黒人ブルースよりもある意味ブルージーなジャンル(?)において父なるアレクシス・コーナーであるが、本作の魅力は#12のロバート・プラントのボーカルだ。この1曲だけでも大変価値がある。今でこそプラント(植物)は枯れ木のようだが、当時の彼は初期のツェッペリンでお馴染みの野性味あふれる生い茂った原始林からの雄叫びとも言えるような迫力のある歌唱で周囲から際立っていた。本作では卓越したブルースハープも大々的にフィーチャーされており嬉しい限り。また、個人的に興味深いのは#10のポール・ロジャースとアンディ・フレイザーだが、残念ながらこちらはロジャースが完全にコーラスに徹しているため彼の個性がみられない。一方フレイザーはフリーでのそれと同じテンションで素晴らしいベース演奏を披露している。アルバム全体としては古典かつ必須な内容で満点である。
アレクシス・コーナーズ・ブルース・インコーポレイテッド(紙ジャケット仕様)
2006年Castle盤の焼き直しで内容は同一。personnel等のデータが記載されておらず驚いている。音楽専門誌が発売元と思われない。本作の録音は、1963/5/10〜5/12.メンバーはJack Bruce、Ginger Bakerが抜けた後のリズムセクションMike Scott(b)、Phil Seamen(ds)とDick Heckstall-Smith(ts)、Art Theman(as)、Johnny Parker(p)の布陣だ。内容に付いて、13のTaboo Manと1965年発売のKingからのシングル盤B面[Blues A La King](Alexis All Stars名義)は、1963/5/10〜5/12とあり、本作のアウトテイクの可能性が強く、メンバーも同様だろう。又、同じくKingからのシングルB面[See See Rider](Alexis Korner名義)の録音は、1963/6/1とあり、同様に本作メンバーの可能性が強い。1964年に発売されたDeccaのオムニバスLP[R&B]収録の[Night Time Is The Right Time][Early In The Morning]は1963/1月の録音、メンバーの在籍期間を考えると、Jack Bruce、Ginger Bakerのリズムセクションに、Dick Heckstall-Smith、Graham Bond、Johnny Parker。後のGraham Bond Organisationの布陣だと思う。発売元に言いますが、購買者のニーズを捉えてない内容は、批判されるべきと考えます。
R&B フロム・ザ・マーキー(紙ジャケット仕様)
ブリティッシュ・ブルースのゴッドファーザー:アレクシス・コーナーによるバンドのデビュー作とのことですが、一聴、感じるのは、シカゴブルースへの著しい傾倒です。予備知識なしに聴いた人は、よもや白人がやっているとは思わないのではないでしょうか? それくらい黒人ブルースのコピーに徹しています。ただし、コピーだからといって品質が劣るわけではなく、一級品のブルースを貫禄たっぷりに聞かせてくれます。
これ以降、コーナーのバンドは、数多くのブリティッシュロック、フォーク&ジャズの世界で名を成す著名人を数多く輩出する梁山泊的なバンドになっていくようです(ストーンズ、クリーム、ツェッペリン、フリー、コロシアム、ペンタングル等のメンバーから、ECM系のジャズミュージシャンまで、その人脈の広さは驚異的!)。音楽的にも、あくまでブルースを基調としながらも、より多彩な展開を見せていくようで、その様子は“Bootleg Him !”などのアルバムに記されています。
本作にそうした片鱗が必ずしも感じられるわけではありませんが、コーナーのブルースには、当時のイギリスの若者を狂わせ虜にする魅力があったのでしょう。「英国ロック史の源流を辿る」といった教科書的な聴き方も間違いではないと思いますが、まずは純粋に良質なブルース音楽として楽しむことをお薦めします。
アット・ザ・キャヴァーン(紙ジャケット仕様)
2006年Castle盤の焼き直し、ライナーノーツはBlues Inc.以前の紹介に終始しており、視点が大きくずれており、当然詳細なデータ・パーソネルの記載は無い。データに期待し購入したが期待はずれ。本作は1964/2月録音、1964/10月発売のライブ盤。メンバーはMalcom Saul(og)、Dave Castle(as)、Vernon Bown(b)、Mike Scott(ds)の布陣。前作[Blues Inc.]ではMike Scottは(b)となっているが、本作では(ds)となっており、情報元の間違いか、スイッチしたか不明、今後の解明に期待する。ボーナストラックのBBCに付いては、一部1994年[The BBC Radio Sessions]で発売されており、そこには1964/11/27録音とあり、メンバーはHerbie Goins(vo)、Dick Heckstall-Smith、Ray Warleigh(as)、Terry Cox(ds)、Danny Tompson(b)とあるが、Dickは1963/9月に退団しており参加は怪しい?前作のArt Themenか未知の人である可能性が強い。1964年Parlophoneからのシングル盤に付いては、Herbie Goinsの参加は判明しているが、現存する音源から前作より半年、後の作品から2カ月前の作品で詳細は判明できない。又、Parlophoneからは1965年にシングル盤[Little Baby]/[Roberta]が発売されているがその収録は無い。発売元のStrange Daysの独自性を出して欲しかったですね。