ホワイトカラー DVDコレクターズBOX
天才詐欺師がFBIと協力して知的犯罪と戦う!というようなコピーになっていますが、
その実は、典型的な刑事モノ、FBIモノといって良いと思います。
名前と身分を偽って潜入したり、芸術品を偽造したりはするのですが、
生来の話術と手先の器用さでサラッと済ませる事が多く、「詐欺師」という点がそれほど重視されている感はしません。
FBIと一緒になって悩んだり、危険なときには狼狽したり、
肩書きから連想するクールなイメージとは違い、マスコット的な雰囲気すら感じる人物造型です。
捜査する「知的犯罪」の方も、=暗号や罠が張り巡らされた難事件という訳ではなく
偽札や贋作に纏わる事件や、株や不動産などの金銭トラブル関係という意味で、
比較的、気楽に見られる作りになっています。
その、気楽に見られるという点も個人的にはかなり評価しているのですが、
それにしても、「よく出来てるけどインクが乾いてない」とか「よく見ると小さく犯人のサインがしてある」とか、
犯罪の重要な部分がお手軽な事が多く、少し物足りない印象もありました。
上記の通り、全体的にライトな作りですが、それでいて飽きさせないのは、
登場人物が魅力的に描かれている事に尽きると思います。
詐欺師のニールとFBIのピーターが友情を育んでいく様子は微笑ましいですし、
それぞれの家族や友人、同僚も嫌味のない好人物揃い、
敵役も気分の悪くなるような極悪人は居ませんし、ストレスなく、暖かい気持ちで楽しめます。
ラスベガス・71
自分は誓って違法ドラックのジャンキーではないけれど、これにとても共感できる。できてしまう。 自分の中にそういうものが無い人には、これは、荒唐無稽な不良達の無茶苦茶物語のようなものとして楽しめるだろうし、有る人には、それだけでは片付けられない何かが、読後に残るはずです。ハンター・トンプソンの現在唯一の普通入手可能な、訳本。損はない、と思います。