吉良上野介を弁護する (文春新書)
忠臣蔵にまつわる俗説を排除し当時の根本資料に基づき事件の真相に迫る。「吉良上野介は戦って死んだ」「刃傷の理由の一つとされた塩の販売をめぐる争いは無かった」「賄賂をめぐるトラブルも無かった」ことあることに悪人扱いされる主人公の「名君」としての復権はなされたのかどうかは読んでのお楽しみということで。
小説 帝都復興
関東大震災後の帝都復興までの道のりを、内務大臣及び帝都復興院総裁後藤新平の信念と挫折を中心に描いたフィクション。一部で、先日の東日本大震災にも言及しているが、あとがきにもあるとおり、「直近の震災そのものに関しては、ただの一カ所のみ、それもごく簡単に触れるにとどめ」、 「関係各所による震災対応の問題点や批判なども、あえて避け」ている。
関東大震災発生後、後藤新平の強いリーダーシップと使命感のもとに復興計画の草案は迅速にとりまとまるものの、財政上の問題、政党、議員、地主の各利権、権力争いが絡み、最終的には原案からかけ離れたものとなっていく様が描かれている。実際の関東大震災の際には流言等による朝鮮人の大量虐殺など、描かれていない問題も多々発生しているが、本書では後藤新平と、復興までの政治面での動きとその側近の物語に視点を絞ったものとなっており、読後感に若干物足りなさはあるものの、文章は平易でとても読みやすい。
一面に過ぎないかもしれないが、後藤新平という政治家の、覚悟と使命感、そして温かみのある人間性に触れることができる。
剣侠―新選組武勇列伝
一人の人間に着目して話を進めるという構成をとっているため、同じ事件(たとえば池田屋事件など)でもそれぞれ人により違った視点から語られているのは面白い。またどちらかというとマイナーな人々にも着目されているのは良い。
この本が私にとって新撰組デビューとなったが、非常に興味深く読み進めることができた。新撰組は日本の近代史において書くことはできない存在でありながら(特に土方などは)、学校の日本史で触れられることは少ない。この本を読んで、遅ればせながら勉強できたのは良かった。またこの本では新撰組の面々のかっこいい表の面だけでなく、非情な裏の面についても書かれており、その分リアリティが感じられた。今後も新撰組に関する本を読んで生きたいと思う。
アスレティックボディ・イン・バランス
非常に面白い本だと思います。動作の評価に対し、問題点を改善させるべく方法が記載されてます。
但しトップを目指す選手であれば時間をかけて動作を改善するでしょうが、即結果を出したい選手には時間のかかる手法なので、導入は考えにくいでしょう。
トレーナーの方や指導者の方で動作の評価法として知っておくだけでも損は無いないと思います。