161ミニチュア集 (チェス・クラシックス 3)
定跡はある程度覚えた。
でもここから先はどんな戦いになるのか?
この本はその道筋の一つを必ず教えてくれる本です。
チェスマスターブックスのやさしい実戦集もあるが
これは確かにやさしくは説明されているけれども
あまり掘り下げて考えるには内容が薄いと思っていた。
本書は入門者には確かに難しいとは思います。
しかしながらこの本ではもう少し具体的に
定跡にはなっているが実戦では実は不利であるとか
これを知りたかった!!これだ!!という変化も
見つけることもありました。
それぞれ読まれる方なりの発見がたくさん見つかると思うし
非常に内容の充実するものになると思います。
私は初心者なので自分である程度掘り下げて
読む作業も必要ではありましたが
綺麗なチェックメイトになる部分も載っていて
こんなふうな持って行き方があるのかと
実戦でのアイデアが浮かんでくることが
とても楽しみになりました。
これだけの内容の充実したものであるならば
入門者は難しいとしても初心者でも持っていて良い本であると私は思います。
中級、上級の方にも、研究材料としても、もちろん素敵な内容になることでしょう。
おそらく日本には存在できなかった本が古典書ではありながら
ここに実現したのだと感動しています。
改めてこのような良書を安価で提供していただいた
水野優氏に感謝の意を表したいと思います。
サティ:ピアノ作品集(2)
エリック・サティ(1866~1925)が現在のようにコマーシャルにまで多く用いられ、生活に浸透して行った『演奏者』としての最高の功労者はと言えば日本ではあまり評価が高いとは思われないアルド・チッコリーニだろうし、日本における最大の功労者は間違いなく高橋悠治・アキ兄妹だろう。
1980 年2月、ニューヨーク州立大学バッファロー校に付属していたセンター・オブ・ザ・クリエイティブ・アンド・パフォーミング・アーツ(創造的演奏芸術センター)のメンバーであった高橋アキは、このセンターのディレクターであった作曲家モートン・フェルドマンからそこでのリサイタルにメシアン・クセナキスの曲とともにサティの『5つのノクチュルヌ』を所望された。高橋アキは、渋谷にあったジャンジャンで足掛け3年間『エリック・サティ連続演奏会』を行っていてほとんど全曲を日本でおそらく初めて知らしめていたのだ。時にジョン・ケージが大きくエリック・サティに傾倒していて、ケージと30年来の友人であったフェルドマンがサティ*ケージ*高橋アキの3つを繋いだと考えられる。
その時兄高橋悠治はサティの音楽をより、音楽論的に作品分析を行っている。
例えば最も有名なサティの曲『ジムノペディ第3番』は、メロディーをMとし、前奏・間奏・後奏をLとして小節数を数えると次のような図式になる。
L4M9M7M7/L3M10/L2__M6M7/L5
かくて主旋律から伴奏和音が予想できず、あらゆる虚飾の剥ぎ取られた純な音が抽出され、音楽が生成されていく。
美しいサティの音楽がサロンに埋もれることなく、全曲を漏れなく今この耳に聴けると言う奇跡を起こした人、それが高橋悠治とアキだ。
DTM MAGAZINE (マガジン) 2011年 06月号 [雑誌]
パソコンでの作曲を始めようと思い立ち、この本を購入しました。
特集で組まれていた作曲ソフトの一覧がとても役立ちました。
それぞれのソフトの各バージョンごとの昨日も載っていましたので、
ソフト購入の際の検討材料として、とても役立ちました。
名曲喫茶のクラシック~懐かしのクラシック小品集
このアルバムの企画としては、昔「名曲喫茶」で流されていた小品のクラシック音楽を家庭でどうぞ、という趣旨のようである。企画はどうあれ、よくあるオムニバスアルバムで、曲テーマもバラバラ、演奏家も玉石混淆である。曲によれば何もこのアルバムでなくとも、別の優れた演奏家から聴けば良さそうなものであるが、ここでの良いところは、何と言っても他のアルバムでは見つけにくい珍しい曲目を収録していることであろう。また、聴き覚えある曲ながら題名のわからない曲の題名を特定できたことも大きな収穫であった。
とりわけ私としては、「ハイケンスのセレナード」や「怒濤を超えて」「ドナウ河のさざ波」が興味深い。
特にハイケンスのセレナードは戦時中、「戦線へ送る夕べ」というラジオ番組のテーマ曲だった(らしい)のだが、印象的な名曲ながら原曲を聴く機会がなく、このアルバムを通じて初めて聴くことができた。また「怒濤を超えて」は‘NHKみんなのうた’の初期に合唱曲として採り上げられた曲で、私の幼少時によく聴いていたもの。
あと、このアルバムでは1曲ごとの曲解説がわかりやすく載せてあるのもうれしい限り。
時には、こうしたアルバムでクラシック小品を振り返るのも良いかもしれない。