最後のお話海の底で、君と僕
がとてもせつなく
涙が止まらなくなります。
ショタなら絶対星逢先生でしょう!
表題作失恋の国も心が傷ついた主人公圭吾や水先案内人のネム君の
傷を舐めあうかのような描写が涙を誘います
星逢先生は本当に泣かすのがお上手で
このコミックスは泣きどころが上手くまとまっていて
台詞も素晴らしいんですよ
翌日会社へ行けなくなるかと思った程
せつないお話がラストに待ってます
出勤前は目が真っ赤になってしまうので読んではいけませんね
詳しくは書けませんが是非読んでみてください
さすがの星逢先生といったかんじです
お気に入りの一冊です
星逢ひろさんのショタ成人向け漫画の短編集です。
いつものことなのですが、この方の漫画本は短編作品を連ねて、一冊のコミックスとなさることが多く、本書もそう言った本の一冊です。全体的に表題に合わせたストーリーで短編が連動しているコミックスも(忘れな花畑、君を連れて行く船、などでしょうか)ありますが、大判二册(この本と、もう一冊『おとこのこ、そこ』)とも、内容に関しては色々なお仕事が入っています。
けれども、氏の漫画の描き方、筆致、ストーリー構成は細い線で可愛らしいキャラクターをセックス中心で描く、ストーリーが基本になる作品でもセックス描写はきちんとしておく、が基本にあり、これは然程のことがない限り、守られる傾向にあるようです。読者へのサービス精神が旺盛な方なのでしょう。一冊の情報量は、セックス主体であっても、会話回しや、ちょっとした情報などで、毎度とても充実していることから、それは間違いないでしょう。
さて、本書では、主にセックス描写の濃厚さが顕著に出ていることかと思います。大判二冊とも、特にそう言った性描写が顕著です。元々、ショタ成人向けコミックスなので、あまりにセックスが多いのを苦手とする方は避けた方がよいかもしれません。星逢ひろという作家を嫌煙される方や、本をすぐに手放してしまう人がいるのは、そういったところによるところが大きいと思います。
けれども、絵柄が可愛らしいのも事実ですので(そこがダメな人もいるでしょうが)、表紙イラストで問題なさそうならば、著書の多い作家さんですので、過去のコミックスなどをデータ販売や、中古本で探してみたりする楽しみも大いにありますし、買ってみて、損はないかと思われます。
なにせ、ストーリー作りが毎回、面白いのです。
この本では、(言うと面白くなくなるので言いませんが)ほとんど雰囲気もののセックス重視作品が先に何点か並ぶと、後半では、なかなかに上質な独自世界を題材とした作品が並びます。(これもまた、ある意味では展開重視というよりも切ない雰囲気の漫画、と捉えるべきでしょうか。短編ですからね)発想として面白く、これだけでも、個人的には読む価値があるようにも思います。なによりも独自の世界感が既に築かれている。(一部、台詞の意味不明部分(たとえばある作品では、何故事故が起きたのか明記されていない突然の事故が起きたりしている)や説明不足といった、ストーリー整合性の問題も大いにありますが)それを差し引いても、こういったストーリーの本は他に余りないように思いました。セックスに絡めて、という形式からかもしれませんが。
漫画の画力や、キャラの顔目鼻立ちでの好み、性描写の好み、それらはありましょうが。
しかしそういったことは、小説でもありうる事柄ではないでしょうか。たとえば山田詠美先生の『ベットタイムアイズ』などは、今でこそ山田詠美先生は小説賞の審査員などをなさる方ですが、当時はかなりの問題作として扱われました。根底にあるはずの、『人種』への意識、『愛』というテーマへ世間が踏み入るのに、それなりに時間を要したように思います。作品が本来持っている、作家の伝えたいテーマを、読み取れる心のある方に、お勧めしたいです。
セックスだけのエロマンガではなく、エロ漫画という商業的な暗い世界に身を置きながら、どうにかストーリーの結実に心血を注いだ、漫画作家の意欲的な一冊として、紹介させて頂きました。
再版するかどうかは分かりませんが、今も大事に持っている一冊なので、レビューをしてみました。
個人の意見ですので、本当に評価すべきか否かは、これから本を読まれる、これまでに読まれた皆様方にこそ、委ねたいとも思いますが。
ショタコミックスなんて手に取る機会がまったくなかったのに、思ってもいないようなめくるめく展開がこの本の中にはあります。 男性だって読める!とにかくもっと沢山の人に星逢さんの作品をよんで欲しいなあと思っています。
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