主人公、鈴音は脚本家として活躍する36歳。 男はいないものの、仕事もそれなりにあり、順風満帆といえる独身生活を送っている。
そんな鈴音に、10年ぶりに会う高校時代の友達、水絵がリストラされて、 家賃も払えなくて、子連れで、、 お願いだから1週間だけ居候させて欲しいと頼ってくる。。。
ここまでの鈴音の助ける?助けない?という心の葛藤、 また水絵の連れている7歳の息子の存在・・・ 私だったらどうするか? もう、ドキドキしながら読み進めるのですが、、、 この後、同居を了承してからもすごい。
だんだん図々しくなっていく水絵と、イライラしながらも水絵に同情する鈴音。
もう、読んでて腹が立って腹が立って!! 一気に最後まで読み進めてしまいました。
独身時代、ガッツリ仕事をしていた身としては、どうしても鈴音の気持ちに寄り添ってしまうのですが この物語のすごいところが、腹立ちながらも、水絵の気持ちもなんか分かる、、 と思わせてしまうところ。
いやー、読んでてホントイライラしますが、お勧めです。
第十回大藪春彦賞受賞、第五回本屋大賞第二位「サクリファイス」の続編
「サクリファイス」はミステリーとしても一級品であったが、今作は自転車競技が前面に出た作品だった
ロードレースは駆け引きが非常に複雑で面白い
集団内で利害が一致するもの同士は、負担を公正に分担する紳士協定
エースを勝利させる為、アシストを駒のように配置する等
利害が一致するチーム同士が協力し合うのは理解できます
しかし、入賞の可能性が無くなったチームの者が、同国人だからといった理由等で、ほかのチームに協力する場合もあるようだ
八百長とまでは思わないが、なにか不可解な気もしてしまう
今作は外国が舞台で、登場人物の多くは外国人
日本人である主人公は、必ずしも外国語が堪能な訳ではない
主人公がアシストを勤めるエース選手は寡黙な人物といった事もあり、感情むき出しの熱血なシーンはほとんど無い
ストイックな雰囲気が読んでいて、心地よかった
ドーピングといったダークな問題も描かれていた
エースになれないことを自覚し、アシストの役割を誇りを持ちこなす主人公
ロードレースの本場・欧州で現在唯一の日本人でもある
過去のある種大きな犠牲のもと、自分は楽園にいることを自覚し、次なる自分より有能な日本人の夢の架け橋となれることを望む彼の姿には感動します
遥か2の外伝で、同じ四神同士の2人が主役となる中編小説です。 内容は、玄武組「地獄絵」朱雀組「夢路にて」 白虎組「馬盗人」青龍組「妄執の檻」の4本。 内、前3本は「はるか通信」「ネオロマンス通信Cure!」に連載 していたものの収録ですが、青龍組の1本は書き下ろしだそうです。 1話は泰継さん、2話はイサト君、3話「馬盗人」は幸鷹さん、 4話では勝真さんの視点で話が進みます。 私的には、特にイサト君と勝真さんの心の葛藤みたいなものが ちゃんと書かれているのがとってもお気に入りですね。 あと、意外?に相手のことをみている泰継さんもv 挿画もとても格好良くて、何よりお話の雰囲気にピッタリですし☆ ですが。 星4つなのは、外伝ということだからでしょうか、 紫苑君や、アクラム様やシリン、和仁様や時朝が登場しない事が・・泣 まぁそれはそれで良いとも思うんですが、 個人的にアクラム様や宮様が好きな私にとっては残念だったので。(笑) 何はともあれ、買って損はないです!
確かに、読み物として面白い。いっきに、読み終えてしまう。さて、読後の印象は、はたしてスポーツものの清涼感はあるのだろうか。なにか、違う様な、なにか重たいものが心にのこるような...。必ずしも、ストーリーも完全ではなく、少し違和感を感じる部分もある。どうして、と素朴に疑問が残る部分もあるが、それでも読み手を楽しませる作品であることには間違えない。おそらく、続編を読み続ければ、読後に感じた違和感も、心の中に吸収されるのだろう。ただ、確かに面白い一冊であることは、間違えない。
シリーズの3作目,4本の短編集になります.
物語としては,事件を起こした人も救われるラストとなり,
雰囲気としてはハッピーエンドに近いものを感じるのですが,
そのため,それまでの『苦さ』がぼやけてしまうのが残念です.
中には,かなり悪いこと(犯罪)をした人も居るのですが,
問題を外へ追い出して見えなくし,『みんなが救われた』と,
表面を取り繕っただけのようで,どうしても違和感が残ります.
人間のちょっとした『暗』の部分を見せられる内容なだけに,
ひとつくらい苦いままおわるものがあっても…と思うのですが.
なお,前作と同様に,事件を起こす側に重きをおいているようで,
主人公の女の子の登場は少なく,また仲間の人たちも出てきません.
なので,彼女たちのやり取りに期待していると,少し物足らないかも.
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