1945年8月15日、日本はようやく戦争から解放され、長く続いた暗黒の日々は終焉を迎えた…。昭和前期を振り返る際、お決まりのように繰り返される言葉だが、著者は、戦時下の日本国民の生活は暗澹たるものではなかったことを示した。勿論、本土爆撃が始まったあたりから、国民生活が苦しくなったのは事実だが、戦争の開始と同時にそうした暗黒の日々が始まったわけではなかった。あくまで、本土に敵が襲来し、自らの周辺に死の恐怖が漂うになってから、国民の暗い生活ははじまったのだ。著者の調べたところ、戦前の日本で消費と観光の頂点を極めたのが1940年。国民は「軍国主義」に抑圧されたのではなく、消費や観光を通じて「軍国主義」を謳歌していた。
戦後の暗黒の戦時期という神話に風穴を開ける力作だ
全く知識ゼロスタートで、独学の私はまずこの本を購入しました。日本語読みで字を検索でき、簡体字・繁体字・読み方・意味・ピンインなども書かれているので便利です。例文も充実しています。ただ、語学が面白くなってくるとかゆいところに手が届かないというか、もっともっと知りたいという欲が出てきてしまいました。でも、これからスタートする方にはお勧めだと思います。
初めて子供が生まれたあと、ほんと訳分かんなくて煮詰まったときに、近所の図書館に置いてあったのがこの本です。育児書なんて型通りで信用してなかったのですが、読んでみて子育てってこういうことなんだぁと心からほっとした本です。 著者のダドソン博士が自ら3人の子供を育てた経験から、乳幼児の生理・情緒・発育・成長のことを0才から5才までの年齢毎に、博士自らの事例を交え、具体的にわかりやすく解説してくれてます。どちらかというと子供のがわの視点なので、子供っていうのはこんなものなのねという感じです。抱っこばかりでママから離れられない、泣いてばかり、寝ない、食べない、かんしゃくを起こす、だだをこねる、いや!ばかり、親のいうことを聞かない、へんなことにこだわる、ちょろちょろ落ち付きがない、大人から見ると悪いことのように思うけど、子供にとっては全部大切な成長過程。子供の気持ち、親としての態度接し方(例えば、かんしゃく→周りから何と思われようとおさまるまで放っておく)にヒントをいっぱいくれますよ。 あそび・おもちゃ・本・トイレトレーニングについてももちろん詳しく書いてあります。 こんな風に子供を見守っていければ、子供も自分も豊かに成長できるんだなぁなんて思います。
吹き込みからその当時のものの感じがし、新品と変わらない外観、内容であった。
本書の著者は、東京裁判で東條英機の頭を後ろからひっぱたいた"あの人"です。
序文で『日本歴史は日本の国民的生命の発現である。それ学ぶ事は日本人の真個の面目を知る事である(抜粋)。』と歴史を学ぶ意義を述べます。第一章で『吾らの現に生きつつある国家、吾ら自身を正しく把握するに為には必ず国史を学ばねばならぬ。史学によって覚醒せられたる日本精神が、興国の力となる(抜粋)。』と展開し、『唯だ正しき国史の研究のみが吾らをして日本歴史の尊貴、日本民族の偉大、日本国体の荘厳を体得せしめ、よく一切の非常時に善処するを得せしめるであろう(抜粋)。』と、国史研究消長と国家盛衰の関連とともに、正しい国史研究の重要性を著者は説きます。
切支丹禁制の背景を例にとれば、『基督教が国内の人々の注意を喚起した点は、その教義自体よりも、信徒達の教えに対する熱誠が排他的性格に激化した事であり、事実この排斥精神が仏教教理を非難して神社仏閣の破毀を奨励した。キリシタン大名達も領内の神社仏閣を破毀し洗礼を強いるなどした。スペイン、ポルトガルからの基督教伝来が土地の侵掠を伴う事を歴史が物語っており、もはやこれまでの一向宗や法華宗による宗門一揆の騒ぎの比ではないと徳川氏が警戒に至る所以だった(抜粋)。』と、史実の背景が明解に記されています。勿論全編に亘って丁寧な解説が整然と記されています。
歴史が動いた背景を正確、克明に読解した結果が正しい歴史認識に直結し、この蓄積がやがては国家の存亡を左右するという一貫した理念で著されています。本書は昭和14年に出版され、満州事変の記述で終わっています。官憲の弾圧にも拘らず当時ベストセラーになりました。少なくとも断片的史実の羅列に過ぎない今の高校教科書より遥かに頭に入るし、一貫した流れに沿って著す著者の視点にも感服しました。
|