凶悪な脱走犯が、聾学校の教師と生徒を人質にして廃屋になった食肉加工場に立てこもった。犯人との交渉にあたるのは、FBIきっての交渉のプロ、アーサー・ポーター。脱走犯のリーダー、ルイス・ハンディとポーターの駆け引きと、人質になった聾学校の教師、メラニーの活躍がこの小説の大きな二つの縦糸である。周囲の人物やその行動も良いスパイスになり、ハラハラドキドキの一流のサスペンスに仕上がっている。終盤ではいくつかのどんでん返しがあり、クライマックスへ向けて読者を一気に引き上げていってくれる。しかし、最後の最後、おそらく他のレビュワーの方が大どんでん返しといったものは、僕にとっては苦い後味しか残さなかった。どんでん返しの魅力は、ある一つの事が崩れ去ることにより、その場の風景全てが崩れ去って、全く新しい風景が出てくるところにカタルシスを感じるものだと思う。本書の最後のどんでん返しは、結局そうはなっていないと思う。少なくとも僕は、誰に感情移入してよいか分からなくなり、戸惑いや不安、暗い未来への漠然とした暗示ばかりが胸に渦巻いた。間違いなく傑作と思われるが、エンターテイメント小説に求められるような清涼感は得られないと思う。しかし、僕にとってこの本が最初のジェフリー・デーヴァーであり、ボーン・コレクターなどの評判の良い傑作群を読んでみたいという気持ちには十分させてくれた。
Orlando Bloom - Balian's Redemption- Kingdom of Heaven
中西圭三&米倉利紀 非情階段(Hyper-Radio MIX)
メロン生長記録
sasakure.UK - *Hello, Planet. feat. Miku Hatsune / *ハロー、プラネット。
Night Ranger - Sister Christian
秋川雅史 翼をください.
Coleman Hawkins (コールマン・ホーキンス) The Man I Love
雨街 岡本一生('80)