ライヴによってVoの本当の実力が露呈してしまう場合が少なくないが、BRUCE DICKINSONには当てはまらない!IRON MAIDENの歴代Voの中では、彼が最高だ!あと、トリプルギターもありだな。と感じるすばらしい出来。
ブルース・ディッキンソンとエイドリアン・スミスが復帰して製作された「BREVE NEW WORLD」からのシングルカット。 静かなスタートからだんだんテンションがあがっていき、そして静かにフェードアウトしていくとてもドラマティックな曲。
ブルース・ディッキンソンとエイドリアン・スミスが復帰して、本来の力量を存分に発揮した12作目。やはり、二人の存在は大きかったのだと、再認識させられる一枚だ。
スティーヴが「X FACTOR」でやろうとしてうまくいかなかったこと、ZEPPELINのようなヘヴィーグルーヴを楽曲に注入すること、あるいはダイナミックかつ音の広がりのあるスペーシーなサウンド作りの構築、といったような新境地が、ここで見事に結実しているというのが、全体を通して聴いた後の印象だ。
とにかく、本作にはかつてない迫力が漲っている。元々MAIDENは、ヘヴィネスよりも、切れ味や音数手数の多さで勝負するグループだったと思うのだが、ここでは、むしろ脳天をハンマーでしたたか打ちつけられるような、そんな重々しさの方が勝っているように感じられる。ギターがトリプルになったこと、ニコのドラムサウンドの処理にその主たる要因があろうかとは思うが、それにしても凄い。
実は、長い間、本作についてはイマイチ好きになれなかった。僕が彼らを好きだった部分、それは正しく今言った切れ味や音数の多さといった面だったからだ。重鈍で冗漫だな、という感想を、この作品については持っていた。
しかし、それは聴きこみ不足だったと、今でははっきり認識している。
グループ結成以来、この時点で20数年が経過している彼等の音楽も、そろそろ円熟期に入り、これまでのように「一聴しただけで即KO」的な即効性のあるものでなく、もっと深みのあるものに変質してきている、ということに気付けないでいたのだ。そしてその傾向は、本作以降も続いていく。
彼ら同様、聴く側である僕らファンも進化していかなければならない。そんな作品作りを、彼等は指向しはじめていたのだ。
彼ら二人の復帰のニュースを聞いてガッツポーズした人は、 この曲を聴いてもう一回大きなガッツポーズをしたと思います。 最後のコーラスの部分で一緒に声を出すと、とてもいい気分になります。
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