85年デビュー、キーボードやホーンセクションを抱え、
メンバーの半分以上がボーカルをとる全員黒人の7人組ロックバンドの27分7曲入りEP。
スカ・ファンク・ハードロックやその他の黒人音楽などがサウンドの基盤となっています。
1曲目のタイトル曲「Crazy Glue」はハードなギターが顔を出さない、1st・2ndへの原点回帰を臭わせるレゲエ風味の曲ですが
その他の曲は全てハードロック的なギターリフを軸にしてスカやブラック・ミュージック色が後退した
3rd「Truth and Soul」や「The Reality of My Surroundigs」路線の曲です。
「The Reality...」などと違う点は暗めで緊張感のあるメロディの曲が多い事。
しかしボーカルスタイルがユーモラスなので決して陰鬱にはなりません。
ノーウッド・フィッシャーのベースも相変わらず歌心とファンクネスと併せ持って曲をグイグイ引っ張っていきます。
白眉は唯一明るいメロディで、ドラムのツーバスの使い方が面白い7曲目「Weed, Beer, Cigarettes」
全盛期に通じる高揚感があります。
この曲と「Crazy Glue」、あと何か一曲をYouTubeなどで試聴して気に入ったらEP全体にも満足できると思います。
全盛期にはやや劣るけど良作です。
余談ですが、このバンドは日本特有のジャンル分け「ミクスチャーロック」に
分類されるバンドの中でも特に黒っぽい要素が強いのが強みのバンドです。
ですから一時期見られた、ハードな面や「ミクスチャーロック」というジャンルにばかり目を向けてLimp Bizkitとかと比較して
「音が軽い」などと批判する言説は全くのナンセンスです。
なので初めてFishboneを聴こうという人にはハードロック色の強いアルバムよりも、スカやブラック・ミュージック色の強かった
デビューアルバム「Fishbone」(85年、故・中村とうよう氏が絶賛)を最初に聴いた方が魅力が理解しやすいし、
そうすればハードロック色の強いアルバムもより一層楽しめると思います。
とりあえず、名前がインパクトあったことと、二枚組でしかもこのボリュームでこの価格であるということに惹かれて買ってみた。聴いてみたらスカあり、レゲエあり、ものすごくへヴィな曲ありのアルバムです。やっている本人たちが本当に楽しそうです。DISC1のほうが個人的に好きです。まぁ、だまされたと思って聴いてみてください。
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