色々な漫画家の方が書いた鉄道旅行記ですが
読んでみて本文もさることながら、漫画家たちに同行
(というより漫画家を引き連れて自分が楽しんでいる)
『鉄ヲタ』『山ヲタ』な編集の方々のキャラクターも
際立っていて面白かったです。
値段の割に装丁がちゃっちい感じと、本が厚くてよみにくい
のがいまいちですが、十分楽しめる内容です。
この本はあざといタイトルに加え
アフタヌーン新書という超絶軽いブランドということもあり
漫画界で生き残るためのサバイバル方法でも描かれているのだろうと期待して購入したのだが
残念ながらそう感じさせるタイトルは営業上の理由での編集部によるものとのこと。
「悪魔の脚本、魔法のデッサン」が本来のタイトルらしい。
内容は専門学校で講師として教えた2年間の講義のまとめとのこと・・・
つまりコテコテの技巧本だ。
正直、漫画の技巧書は山と出ていて山と読み、うんざりだったのだが・・・
期待を裏切らない方向で予想は裏切られた。
はっきり言おう。本書は読みやすく、わかりやすく、広く、深い!
今後この分野の本のスタンダードとなるだろう。
この手の技巧書というのは(絵でも脚本でも基本は同じだから当然だが)
どれも似通ったものであり、その中で何を持って良書とするかと言えば
俺の場合はどれだけの驚きを与えられたかということになる。
一冊に2、3点も発見あれば及第点というのが俺の基準。
と言うわけで、俺がこの本で驚いた技巧についていくつか触れておく。
・読者目線のから考える起承転結の否定。
・ギャグは他人事に感じるロングショットでなければ笑いが取りにくい。
・ジャンプで当たらないキャラ。やる気のない天才。
・恋愛漫画の鉄則・男は女の努力でその女を好きにはならない。
・編集者が25歳までの新人を優遇する事実と理由。
・視界の範囲内でしかコマの中の絵を描いてはならない。
・二点透視の二点が視界の端っこと地平線の交わった点であること。
・Tシャツと背広では袖のつき方の角度が違うからしわも違ってくる。
・ジーンズの膝の下に蛇腹のしわがつく理由
そんなわけで期待とは違ったが十分に及第点。
上記の技術を二つ以上知らなかった人は買う価値あり。安い新書だしな
特に視界図によって描いていい部分と駄目な部分を明確に示した考え方は
多くのパース専門書にも書かれていない事であり
それだけでも読む価値があるだろう。
他のレビューにもあるように過去の技巧書と被る点もあるが
この本ではなぜそうなのかという根本を押さえた視点があり
技巧のための技巧で終わっていない所が読みものとして面白いところだ。
漫画家としての心構えや精神論も
苦労人の漫画家ならではでなかなか薀蓄があり、グッとくる。
「皆が当たり前に努力する世界だ・・・努力のための努力をしてはならない。」
そうしよう。
今ただで読めるんですねぇ。 これは面白かったです。 交通事故の謎を解くコロンボ警部補といったところでしょう。 絵は古さなりですがねぇ。
伏線とか構成が巧みでいいですよ。 誰もタダで簡単にすぐに読めるんでこれ以上の感想はいらないかもですねぇ。
興味ある方はJコミで検索してみてくださいな。
どこかで見た絵柄だなとおもったら、「とびっきり」や「交通事故鑑定人 環倫一郎」の人ですね。表紙とタイトル買いして、絵を見て、上手いが、やや古い絵柄だな、どっかで見たなと。一読の印象は、往年のジャンプテイストの暑くてクサい感じの演出(ボクシングの話の敵役の、ありがちな反則とか憎憎しい表情とか)と、繊細で綺麗な線のバランスに違和感がありました。ゾンビも、もう少しグロければインパクトがあるのに、妙に綺麗な線でかわいらしい印象。例えば、似た感じの漫画なら、「フランケン・ふらん」とかの人が描けば、グロさとかわいらしさのバランスが取れるんじゃ?しかし物語は非常に秀逸なので、今後も買うでしょう。今後の話がより素晴らしいとの噂ですし。
解りやすくて役立つ知識満載であった前作から約2年・・・
前作にはお世話になりまくった私ですが今回の「大盛り」も劣らぬ充実ぶりでよかったです。
前作が気に入った人ならまず買って損はないと思われます。
勝つための戦略の話は奇麗事でないプロの考え方を示しています。
アシスタントの給料や食べてゆける原稿料の最低ラインと必要な制作費についても
ズバリ斬り込んでいます。
細かいテクニックでは体感時間とコマの大きさを比例させるという考えは特に役立ちそうです。
漫画作品からの引用した部分の演出手法もプロの使っているテクニックとして面白いです。
書いてあることは「視野から考える遠近法と臨場感」という部分以外は
前作とまったく被らないのでこちらを単体で買っても問題ないと思います。
前作も専門学校で教えていた事をまとめたものという事でしたが
今回のは進路として漫画学科のある大学や専門学校、アシスタントについてもリアルにふれられていて
専門学校生の質問に答えているコーナーもあり
よりはっきりと高校を卒業したくらいのプロ漫画家を目指す年齢に焦点があわされているようです。
大学で教鞭をとられている「快猫教室」の菅野博之先生による大学事情についてのお話も
進路に迷っている人には参考になるでしょう。
技術論もさることながら
現状の漫画界の不振ぶりから対処方法まで考えようと
電子書籍における漫画の未来について問題提起した部分などは
ここまで書いて大丈夫かと心配になるほど踏み込んでいます。
あとこれは編集の問題となると思いますが
124ページの図は小さすぎて誇張されるべき部分がよくわかりません。
あと他の方も書いているZOMBIEMENの部分のトーンのドットが
モワレだらけです。内容には目を瞠るものがあるだけにちょっと惜しいですね。
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