イギリスのトラッドフォークバンド、スティーライ・スパンの3枚組。2009作 1972〜1975年のクリサリス時代の5作を3CDに収めたもので、 「Below The Salt」 (1972) は歌をメインに静謐に聴かせる中世風味の好作。 マディ・プライアの歌声がより魅力的になり、バンドの全盛期を感じさせる。 「Parcel Of Rogues」 (1973) はドラムも加わった、トラッドロック的な作品。 「Now We Are Six」 (1974) 以降はキャッチーさが増して、土着的な質感が薄まって 一般的なフォークリスナーにも聴きやすくなっている。「Commoners Crown」 (1975) 、 「All Around My Hat」 (1975) ともに落ち着いた牧歌性が楽しめる好作だ。
ブリティッシュトラッドバンド、スティーライ・スパンの5th。1973作 初期の3枚からすると、だいぶ音にやわらかみがついてきているが、 しっかりとトラッドメロディを聴かせてくれることには変わりはない。 エレキギターやドラムが入る曲もあり、今後の変化を感じさせる内容になっている。 マディ・プライアの歌声もいよいよ成熟してきており、艶やかなヴァイオリンも美しい。 この5作目までは初期のファンにも受け入れられる作品だろう。
古めかしいジャケットからも彼らの反骨の気持ちが伝わってくる力作。トラッドに果敢に挑戦、当時最前線に立っていた。このCDが国内盤で買えないとは悲しいです。
フェアポート・コンベンションとあわせていくつか聴いていますが、デビュー作が内容的にいちばん安定していると思います。アルバム全編にわたって、独特の美と荘厳さが漂っています。「パーセル・オブ・ローグズ」以降の路線もそれはそれでいいですが、アシュレイ・ハッチングス在籍時の3作が本国イギリスでも評価が高いようです。
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