最初は朝田が主役と思っていたけど、終わってみれば、加藤が主役とも言えるし、野口が主役とも言えるし、伊集院が主役とも言える。その意味で、読者が各自の立場で共感できる作品になっている。
とっても、いい作品でした。
最終巻でのミキのニーハイブーツは、看護婦が病院でこんなブーツ履いていていいのか?というレベルなので必見。
この作品、マンネリを防ぐために結構いろいろやっているのがわかる。
異母妹への屈折した愛憎を胸に秘めて異母妹や義母を支配し、
保身のためには朝田を陥れることも厭わなかった霧島軍司を凡人の味方につかせ、
敵役からちょっといい人へ方向転換させたり、政治的な話が続いて医療の話から
離れてくると朝田を野口教授に接近させて読者になぜ? と思わせたり、
チームドラゴンが永久不滅かと思えば、朝田が海外へ行く可能性を匂わせて
チームの解散危機を演出したり。
ついには朝田の医師としての生命を危機に陥らせるとは。
方向転換がちょっと強引だなと思えたりもするが、朝田はじめ、魅力的な
メンバーのそれぞれの未来が気になって、やっぱり最後まで見届けたいと思う。
「医龍」で珠玉の人間ドラマを描いた乃木坂太郎さんの新作、
私は知らなかったのですが、元々は洋書で、黒岩涙香さんという方が翻案し、
それを江戸川乱歩がさらに翻案したそうで、一般的には江戸川乱歩版が
知られているようですね(無知で申し訳無い)
画力と表現力はやはり文句無し、
前作「医龍」があまりにも傑作だったので、その次作となればあまりにも
ハードルが高くなりますが…
今巻ではまだ事件の冒頭とキャラクターが出揃った位?
謎が謎を呼び未だ全容が見えてきておりませんが
次巻以降の展開が非常に楽しみであり、面白くもあります。
…ただやっぱり前作と比べてしまうと、人間ドラマやキャラクターの魅力では及ばなさそうかな…
でも、漫画作品としては充分面白いし、時代風景も楽しめて、読むに値する作品ではあります。
(乱歩版を読んだ方にはどう写るのか、その意見も聞いてみたいですね)
次巻以降も楽しみにします。
テンポが早く1〜3巻を何度も読み返しています。 わたしも医龍ファンで作者を見て購入しましたが大満足です。 医龍とはまた違う作風と相変わらず目をひきつけられる絵。 「人間とは?もし自分なら?」と考えさせられる内容。 今後の展開が気になって仕方がありません。 ただ今回はグロさが高いので苦手な方には辛い内容になってますのでご注意下さい。 それにしても丸部と娘の関係もっと突っ込んで描いてほしいなぁ… ※この漫画はあくまで「医龍の作者」が作った漫画で「医龍」ではないのに何故か勝手に医龍と同じものを求めて勝手に失望してる人がいますが理解しかねます。
とにかくキャストがドンピシャリ!イメージが近いのは加藤の稲森いずみ、伊集院の小池鉄平あたりか。朝田の坂口憲二、荒瀬の阿部サダヲ、野口教授の岸部一徳などは原作の雰囲気とは違うが、ドラマになってみると正にはまり役。
一方、鬼頭教授(夏木マリ)は原作の男性を女性に設定を変えたのが功を奏している。原作は継続しているが、ドラマはうまくエピソードを生かしつつ、まとめている。ドラマで脚色したミキ(水川あさみ)荒瀬のエピソードも秀逸。文句なしの秀作。
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