子どもの書く文章というのは、感じたまま、見たままをそのまま素直に書くので、小説家が色々な装飾で描き出す情景よりもリアルなことがあると思います。
この本を読んでみて、特に手書きの作文を読んでみると書いている子どもの気持ちがじかに伝わってくる感じでとても感動しました。
物事を説明する時に「百聞は一見にしかず」ということがあるけれど、写真や映像を見ることよりも「その時の状況を再現するには子どもたちの気持ちを書いた作文を読むほうが、その瞬間の現状がリアルに判るものだと思いました。
絵の素敵さとあらすじにだまされました。
1巻の段階で、ちょっとまわりに流されやすい女の子と、性格ひねくれた相手の政略結婚(ただし結婚生活は無し)、恋愛未満のお話です。 (女の子へのイメージはありませんでしたが、男性側はもうちょっとクール一途なキャラを想像してました。) 女の子向け小説である限り、そのうちラブラブになると思いますが・・遠そうです。 基本的に表紙の黒髪さんが「お前ら嫌い、近寄るな」な態度なので・・
ちょーっと、女の子側への感情移入はしづらいような流されっぷりでした。
続刊が出て、ちょうど見かけて、ちょうど他に買うものがなかったら買うかもしれませんが・・ ☆2.7くらいです。
このお話は番外編。現在では長い治世の続く雁ですが、ここではさかのぼって、500年弱前の雁の話。当時荒廃しきっていた雁がようやく少し立ち直ったころの話です。 まず、エピローグからしてやられました。 切ないです。六太は、他のお話でやんちゃッ子だと思われがちですが、麒麟で一番賢い。賢すぎて悲しい。一番麒麟らしく、一番麒麟らしくないでしょう。蓬莱時代、都を失い捨てられた彼。捨てられるとわかっていて、それでも親についていって置き去りにされて、ただ弔いを望み死を待ちつづける六太には泣きます。 私らの国に王はないから、六太の一番の不安「王は国を滅ぼし、民を不幸にする」というのがいまいちわかりにくいかもしれませんが、 この十二国記でさまざまなとこで言われる「どん!な王でも必ず国を滅ぼす」という国の末路や不安を、この海神で一番大きくテーマにしてるのではと思います。この話メインの二人は共通に何かを失って、その悲しみ苦しみを知っています。そして同じ望みを持っているように私は思えます。 人の汚さとか仁とか、そういうのがいっぱいでていて、個人的にシリーズで一番お勧め。シリアスなのですが、ところどころ爆笑シーンがあったりして。 雁は後栄に栄えるのですが、いつ終わるもやわかりませんね。 そういうことも含め、なにか切ないお話です。 それでも、最後はハッピーエンドですよ~(ホントホント
中公C★ノベでは『碧玉』を完結させた筆者ですが、『擾乱』に続いて天変地異を 登場させた新シリーズです。どうも、朝日ノベルズでは『宇宙戦争』を、ということ で、出版社毎に棲み分け(描き分け?)をすることになるのでしょうか。
パナマ地峡が大災害で海峡と化してしまったため、米戦艦のパナマックスがなくなり 『碧玉』のモンタナ級(次巻ではケンタッキー級も?)が堂々と出現します。方や 帝国海軍は国力差がありすぎることから、最初から艦隊決戦を避けて、航空戦力を 充実させて、という設定は、史実ではパールハーバー奇襲とマレー沖海戦で航空戦力 が見直され、生産力勝負の消耗戦に引き込まれて結果的に敗戦。戦後、黛氏が 「当初戦略どおりの暫減作戦でウェーキ島沖海戦まで持ちこめば・・・」と語って いますが、今回も英国が同盟国なので、空母のカタパルトや酸素魚雷勝負、という ことかもしれません。インド洋のシーレーンが確保できれば、ですが。
絶対的な国力差そのものは設定を変えていないので、消耗戦になった時の「月刊空母」 が可能な米国にはどう対処するのか、が疑問として拭えません。記述のテンポは悪く ないので、今後の展開に期待して☆1つプラスの甘めの評価にします。
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