最近、80年代に活躍したメタルバンドが復活したり、音源が再発されたりと俄かに賑やかしくなっているが、今回手にしたのは、その80年代に日本国内ではなく、アメリカのレーベルから逆輸入の様な形でファーストアルバムをリリースしたGENOCIDEの、そのファーストアルバム「デストロイ・アンド・ヘル」でバンド生誕30周年を記念するコレクターズエディションだ。 当時、日本を代表するといえば、サブラベルズ、クロウリー等が挙げられるが、正直どのグループの音源も聴いたことがない。勿論GENOCIDEも今回が初めてである。80年代にその名を馳せたとなれば、リアルタイムで体験していない自分の様な世代には、その魅惑的な響きだけで、もう無条件でカートへ放り込むしかないという感じだ。 で、実際に聴いてみたところ、それが良いとか悪いとか無しに全く日本人臭がしない。歌詞は日本語であるにもかかわらないのにだ。 更に、ヴォーカルスタイルがアグレッシブなスタイルでありながら、所々でファルセットを活用し、おどろおどろしさを倍加させることに成功している。ギターもヘヴィで引きずり回すかのようなリフとそこに切り込むかのような流麗なソロをキメている。またヘヴィなだっけでなく、4曲目に至っては、なんとも美しいバラードが聴けるのだ。そして本作にはボーナストラックとこれまでのライブ映像を160分強にも渡り収録したDVDが付いているのだが、何といっても目玉となるのが、ボーナストラックの方で、本編に収録されている2曲を現ラインナップにより再録したものだ。この2曲でベースを担当しているのが、ユナイテッドの横山氏であることは特筆すべきことで、ただでさえヘヴィな曲が更にヘヴィに生まれ変わっており、まるでギーザー・バトラーの様なうねるベースを聴くことが出来る。DVDの方も永年に渡り活動してきたのを裏付けるかのような貫禄のステージを観ることが出来、当時を知っている人は勿論、自分のような世代にとっては、正に生ける伝説を目撃出来るのである。これを事件と言わずして何を言うのだろうかと思った。 余談だが、大悪魔祭に出てくるモデル?の人も凄い・・・。 DESTROY AND HELL(DVD付) 関連情報
Genocide - A Bullet In The Wrong Heart [Japan - 1988]
Japanese 80's Heavy Metal From "Black Sanctuary" LP 1988 King Klassik Records.
Loading...