妖怪と人間が主従関係を築いて社会生活を営んでいくと言う世界設定の下、主従関係の構築を学ぶために数多くの
妖怪が在籍する「杏樹学園」と言う全寮制女子校を舞台に繰り広げられるドタバタ学園ラブコメディ。今巻が最終巻となります。
女装して女学校に通う羽目となった主人公・伽峨覚夜(人間)と九尾の狐姉妹である白梶ネネ・巴との恋のさや当てが物語の中心となりますが、その他にも子種目当ての狼娘・天緒未央、覚夜の幼馴染で、彼のトラウマの元となった二口女・夏姫瑠流、百合展開希望の妄想からかさ・佳良茶紗といった非常に濃い面々も絡み、覚夜を巡る恋愛バトル的な展開が非常に加速していますね。
今巻前半では、覚夜、ネネ、巴の三角関係がヒートアップ。ツンデレ・ネネとデレデレ・巴に妄想・茶紗のおせっかいも加わり、非常に混沌とした展開が楽しめます。
後半では、そもそも覚夜が学園に来た目的がクローズアップ。学園のトップを目指す覚夜とそれを助ける仲間達との交流がメインとなります。どんな結末を迎えるかは読んで確認頂きたいのですが、ドタバタと明るい展開に終始していますので、肩の凝らないコメディとして楽しめると思います。
絵的には相変わらずバストトップ全開で、Hテイストが満載なのですが、絵柄が然程いやらしさを感じさせない可愛い系ですので、それほどエロエロと言う感じではないのが好印象。
ただ、背景が異様に少なかったり、モブシーンがほとんど無い(特に今巻では町に出るシーンがあるのですが、そこに人が全く描かれていないのはいかがなものかと…)等と言った作風を、すっきりとして読み易いと捉えるか、書き込み不足と捉えるかは読み手次第で分かれる点でしょうね。
絵柄は可愛いし、全体にキャラは良く特徴付けられており、読んでいて楽しい作品ではありました。それほど奥の深い設定が敷かれている訳でも無いので、全3巻と言うボリュームも程よく適当と言った所ですね。