いよいよ最終章。小説よりも綾子と村重に重点がおかれています。原作より台詞も映像も、前世の恋人同士ではなかったけれども、つかの間通い合う二人の儚い心情を映しています。その分高耶と直江の台詞は短くなっていますが、ラストの高耶の台詞は効いています。景虎の冷たい微笑みも憎らしいほどですが、そのあと直江から顔を背けてうつむいた横顔に、400年隠してきた想いが溢れていて辛い。直江の抑えた心情を表す、怒りも悲しみも抑えた低い声、表情はアニメならでは。
インタビューでは、高耶役の関さん・直江役の速水さん・綾子役の玉川さん3人揃って登場。次回作に期待をかけさせる、関さんと速水さんの意味深な言葉にファンは小躍りしそう。
特典CDでネット配信された「ラジオステーションII」の関さんと速水さんのトークが入っていますが、聴き逃した人には嬉しい。DVDとは一味も二味も違う二人の明るい爆笑トークや、作品についての思い、裏話など一度聴いたあとでも楽しめました。
個人的には直江と高耶の出番が少ないのが物足りないですが、原作通りなので贅沢ですね。もう一度小説を読みたくなりました。
真っ赤なバラが
ジャケットがいかにも原作の小説のイメージらしいと思いました。しっとりとした曲、激しい曲とあり、原作中で登場人物が直接は語らなかった想いが詰まった詞が印象的でした。
購入しようと思っている方はご存知でしょうが、前回のアニメ版とはキャラデザインが違います。高耶も直江も、目元のクールさが抑えられて甘めの顔立ちですが、全体に輪郭がぼやけている感じで私は前の方が好みです。画面は前回の渋めの色調に比べて明るめで綺麗ですが、一部(直江や高耶の登場場面ではありませんが)手を抜いたんじゃない?と思うような所も。綾子ねーさんは宣伝用のイラストよりも美人で、いい線いってます。
ストーリーは、OVA用のアレンジはありますがほぼ原作に沿っています。綾子ねーさんのはしゃぎぶりが少々気になりますが。この巻は
京都のホテルで直江と高耶が出会うところまでで、気になる場面で終わっています。
声優の皆さんは相変わらず豪華です。高耶は抑えた口調ですが、ストーリー上仕方ないかな。最後に高耶役の関俊彦さんのインタビューが、20分近く入っています。キャラ声ではありませんが、素顔の関さんを見たい方には、嬉しい特典です。
本編は30分あまりで、前宣伝と値段の割りには物足りない気がしますが、とりあえずOVAで新たに動いて話してくれる彼らはここでだけと思うと、星4つといったところでしょうか。一番お勧めはオープニング。高耶と直江のすれ違う心を表しているような切なさが、山根麻衣さんのハスキーな歌声にのって流れます。
イメージアルバムだったので、どういう仕上がりになっているのか、少々心配だったのですが・・・すばらしかったです! 原作本を読まれた方なら、きっとその場面まで想像できるような作品になっていると思いますよ。