公開当時中学生だった私は、劇場で2回観ました。公開以前放映されたTBSドラマ「幕末青春グラフィティ
坂本竜馬」では竜馬が暗殺されるまでを演じた武田さん。「竜馬は暗殺されるまでの最期の数年間、急に策謀家になる。私はそれまでの嬉しい時には笑い、悲しい時には泣き、夢を追いかけ続ける頃の竜馬を演じたかった。」というような事を当時おっしゃってました。決して評価の高い映画ではありませんでしたが、中学生だった私の心を強く揺さ振ったのは作品全体を覆う異様な“熱気”。始めから終りまで武田さんのこの作品に注いだ情熱に圧倒されました。土佐で処刑された仲間達に思いを馳せ、「痛かったか、武市!痛かったか、以蔵!すまん!すまんのう!一緒に居てやらなんですまん!」と口から泡を飛ばし慟哭し、吉田拓郎さん演じる高杉晋作に対し「わしゃフリーじゃけんのう!長州の為に倒幕やっとるわけじゃあないぜよ!」と叫ぶ。こんな熱い映画、後にも先にも観たことが無い。DVD化されないのは河合監督が亡くなった事で権利関係で何か問題があるのかなあ。竜馬ブームの昨今、早く再販してほしいものです。
坂本竜馬について知らないことだらけですが、このDVDでちょっとは身近に感じることが出来ました。また新たな謎もあり、これからも永遠にミステリアスな存在になるのでしょうね。