修二の言ったセリフが好きだ、修二の乗っている自転車が好きだ、修二の家族に対する愛情が好きだ、修二の全部が好きだ、、、大好きだ そんな人に聞いてほしい一枚です
アドリブが多いドラマだっただけに、セリフや場面をドラマと対比させながら読んでもおもしろい。 主人公の複雑な心情、ドキドキしてしまう黒幕の正体、個性的な脇役のすばらしさが、活字で表されていることによってとても楽しめた。 普通の友情ドラマには無い、何ともいえないすがすがしい気持ちにさせてくれる。 ドラマが大好きだった人、見逃した人。どちらにも読んで欲しい一冊。
ドラマを見て、原作を読んだ人も多いでしょう。私もその一人です。
「野ブタ」が男だったり、彰がいなかったりで、原作とは登場人物の構成が異なるが、基本的なストーリーの流れは一緒。むしろ原作の方が、ドラマのようにサイドストーリーのような寄り道がない分、スピーディーな展開で面白いかも。
決定的に違うのは主人公桐谷修二が成長しないこと。ドラマでは野ブタのプロデュースを通じて人間的に成長していく部分が描かれたが、原作では表面だけを取り繕って、内心人を常に小バカにしている嫌なヤツのままで終わる。
深読みかもしれないが、外見で虐められていた野ブタがそのハンデをクリアすることで、性格の良さを周囲が理解し溶け込んでいく様と、醜い内面を覆い隠していたイメージが剥ぎ取られ、あっという間に周囲から見放されていく修二。人間は結局、内面が大事なんだというメッセージもあるのかもしれない。
野ブタのことが好きだと気付いた彰がクローズアップされる巻です。普段はおちゃらけな彰がマジになる場面は、普通にかっこいいですね。校内放送で野ブタへの想いを語るシーンが印象深いです。
わかるような、わからないような…。 リズミカルな文体で読みやすい本です。普段頭にふわっと浮かんで、言うか言わないかのうちに忘れてしまうような小ネタがこれでもかっ!というほど、盛り込まれていて笑えます。 でも笑いながらも何だか暗くなりました。主人公の性格はよいとは言えないながら嫌なやつではなく、登場する高校生にも悪役はいないのに、こうなるをえないような悲しいラストなので、どうにもこうにも切ないです。一度読んで見てください。
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