TVでの放映中、「どう見ても、花房賢人とその担任教師(どちらかと言えば後者)が主人公なのに何故『
エジソンの母』などと言う
タイトルなんだ?」と疑問に思いつつも楽しんで見ていましたが、その疑問は最終回に解けました。『
エジソンの母』とは坂井真紀演じる花房賢人の母を指している訳ではないんですね。ドラマ全体に流れるテーマとでも言うべきもので、なかなか良い
タイトルだと思います。それが分かってすっきりしました。うちの息子は賢人のようなタイプではないものの、子どもの資質や教育を考える上で興味深い材料を与えてくれる作品です。
エジソンが残した数々の発明品とエピソード。
電球、蓄音機くらいは知っていても、トースター、掃除機、マイクロフォン、テープレ
コーダー、アイロン・・・?
知らなかったことがたくさんあって、それだけでも十分に読み物としては面白いのですが。
本書のハイライトは、時々登場する「母ナンシーからひと言」のコラム。
障害をもち、ふつうの子供と違う
エジソンの強みを最大限に引き出して育てた母ナンシーの教育哲学には、
はっとさせられる事ばかりです。
「私はトーマスの失敗をしかった事はありません。一つ一つの失敗から学ぶことができれば、それはもう失敗ではありません。
私がトーマスを叱ったのは、彼が何もせずに怠けた時、そして始めたことを簡単にあきらめた時だけです。
失敗を前提としない成功は、単なる幸運に過ぎません。失敗から学ぶことを知った時、失敗は失敗で終わらず、
成功への階段になるのです。」
深く共鳴させられた言葉です。
日々子供たちと格闘している、すべてのお母さん達に是非読んで欲しいと思います。
竹内まりや、山下達郎が収録されているのがびっくり。そしてコブクロや絢香さんやSuperflyやリップスライムやBONNIE PINKまで、、、2曲ほど初めて聞く曲がありましたが、かなり充実の内容です。
第二話くらいまでは、物語(設定)の説明部分が多かったりして、全体的にスッキリしなかったが、第三話あたりから、次第に面白くなっていく。
特に第四話では、「平等」や「基本的人権」等、わかっているようであやふやな概念に鋭く切り込んだり、結構考えさせられた。鉛筆工場の社会科見学の話は、観ていて胸が温かくなった。
工場の若手社員の「好きな人がいて、良い上司がいて、好きな仕事があれば、そんなにお金持でなくても幸福」という言葉は、単純なようで真理を突いていると思う。
精神分析学のフロイトは、健康な人格を突き詰めると「愛することと働くこと」と述べているが、その言葉を思い出した。これに加えて、良い人間関係の中にあることが、このドラマにおける「幸福」なのだろう。(もちろん、お金は必要だし、たくさんあった方が良いが、上記のような条件がなければ幸福にはならないのだろう)
このドラマの面白さは、登場人物の設定と俳優の好演にもあると思う。美人ではあるが、「面白くない女」と言われ、結構痛い思いもする規子先生(伊藤美咲)。美青年だが、どこかユニークな美浦准教授(
谷原章介)、そして賢人の母・あおい(坂井真紀)。この三人の微妙な関わり具合が楽しい。モロ師岡の焼き芋屋さんも出番は少しだが妙に存在感がある。
そして杉田かおるの怪演。デフォルメされた役ではあるが、キャラクターのハマり具合は最高だ。モンスターペアレント的な役だが、コミカルさもあって、どこか憎めない。ラスト、賢人を見張りながらも、認めたような微妙な笑顔が印象的だった。
子供のウェイトが大きいドラマだが、単に子供のドラマというより、子供を通じて社会の問題、教育の問題など、結構考えさせる、良いドラマだと思う。中盤からとても良くなっただけに、あと数回観て楽しみたかったと思う。
まず、
エジソンの発明の数々やそれにまつわる話が面白い。そして、今現在我々が活用している製品のルーツを知ることができます。
そして、
エジソンの母ナンシーが教えた7つのルールは、親として子育てや教育をしてく上で非常に為になる。
1.無条件の愛で包む
2.感性を磨く
3.知的好奇心を育てる。
4.考えることを楽しむ。
5.失敗は成功のレッスンである。
6.ハンディキャップは特長になる。
7.他人との交流を楽しむ。
恥ずかしながら、
エジソンについての詳細は本書で初めて知ったが、偉大な発明家は偉大な彼の母なくしては生まれなかったのだという事が良くわかった。
子供を持つ親としても、色々考えさせてくれた一冊でした。