隆大介版B.Jの3作目にして、最大のライバル、ドクター・キリコがついに登場! 草刈正雄がとても合っています。
1作目のB.Jは、謎の天才
外科医として大活躍していましたが、今回の彼は、全編を通してひたすら悩みます。冒頭から、いきなりキリコに敗北するところから始まります。
「人間が生命を自由にするなど、おこがましいと思わないか?」
「医者は神様じゃない」などといった言葉が、彼に重くのしかかります。彼の天才
外科医としての自信を揺るがせられます。
そして悩める旅の過程でB.J本人も発病!
結局、最後もキリコに敗北とも言える結末を向かえますが、高笑いするキリコに、彼は自分の信念を失っていないことをみせ、キリコもそれに重く応える。原作を上手くアレンジした名場面で締めます。
そして、この作品は、全編海外ロケ!
終始、タイの壮大な風景が舞台です。
当然、外国語がメインなので字幕も多い。
前作までと比べて、随分と安っぽさが抑えられ、ちょっとした大作を観ているような錯覚さえ感じました。
現地の人の生命観が語られるシーンは神秘的で、それがB.Jの心に何かを訴えかける。結末も完結編らしい。
自分の中では、これが3本のシリーズのうち最高傑作です。
平均点を下げたくないので、甘めの満点を献上致します。
手塚治虫の生み出した天才的
外科医の話で、主人公は医者だけれども免許は持
っていません。つまりもぐりです。もぐりであるにもかかわらず手術の腕前は
天才的で多くの人を助けます。その代わり法外なほど治療費を取る非常な一面
もあり、お金には換えられない命の値段についても考えされられます。