このところの不馴れが過ぎる代理所長業により続いていた情緒不安定。朝昼晩をホームランバーのみで過ごすという、小説版
ムーミン並みの奇行のために小沢健二似の神経内科医に「アホか君は」と栃木出身なのに偽関西弁で消しゴムのカスを見るような顔をされたうえに、待合室で一緒だったおばあちゃんのケータイ着信がホリーズの「バスストップ」であったことが決定打となり頭の中で糸が一本切れました。そんな今日「台風が接近してるから稲刈らないとヘルプミー」と叔父がいうので朝から鎌を手に手に田んぼとたわむれてきました。ケータイは部屋に置いたまま。猪よけの火薬の発破におののき、沼が軍手を吸収する一部始終を観察し、たくあんのからし漬けをおかずに塩むすびをほうばり、沼が蛙を吸収する一部始終を観覧したり。怪奇大作戦の「氷の死刑台」みたいに一日蒸発したわけですから明日は大人たちにぶちギレされる様がみえます。それにしても沼。沼いいです。こんなにずっと見ていられるものだなんて知らなかった。三木さんはずっと前から沼の面白さを知っていてコントに何度か使っている。やはり三木聡は偉大だ。
ぐるぐるぐるぐる。空の巻貝の中を巡ってゆく二匹の少年。食欲と性欲を思うがままに発散し、眠りを貪る。わけがわからないながらも、どのコマも、「これ」としかいいようがないほど決まっている。嵌っている。絶対的な著者の美意識が作り上げた珠玉の漫画。
短編三作収録。
エロスも少しありです。
『MaMaFuFu』に収録されている「道楽者の海」と展開がほぼ同じ「箱の男」という作品があります。
しかし、こちらはページ数が倍増し、警察や住人?に追われ微かなストーリー性もプラスされたり、世界観も多少変更されたりと、全体的にはボリュームアップした様に思います。
けれど「道楽~」に比べると一コマ毎の書き込み方が寂しくなっている様に感じ、コマの隅々までじっくりと楽しむには少し物足りなく感じました。
それでも全くの別作品と考えられないことも無いので、比較しなければ相変わらずの良作と言えます。
本
タイトルの赤タイツ男もほとんど喋らない割にはなんとなくその人となりが見えるようで良いキャラクターでした。
自分の中ではとても満足ですが、他の著者の漫画と比べることにはあまり意味が無いように思えます。
なので評価の星は敢えて逆柱さんの他の
タイトルと比べれば、ということで限りなく5に近い4。
この方の作品に初心者向けも何もないと思いますが、エログロ&どこかのほほんとした夢の様な世界を覗きたい方には是非手に取って欲しいと思います。