誇張して言うわけではないが、チェ・
ゲバラのすべてがこの本に詰まっているといっても過言ではない。
ゲバラといえば戦いがすべてであり、自由を求めて反抗する闘争家であるが、
ゲバラにもこんな時代があったのかといちいち驚かされた。この本ではフィデルと出会う前ではあるが、彼の勇気、冒険心、あらゆう内面的成長をこの南米旅行で成し遂げたのだろうか?
ゲバラに対する固定観念を解体されたと同時に彼の原点を垣間見たようにも思う。
かの有名なチェ・
ゲバラの若かりし頃のロードムービーです。
最初の頃はかわいい女性に恋をしたり、ペテンをしてバイクを修理してもらったりと若気の至りを大いに発揮していた
ゲバラ。
ただその後の数々の出会いが彼を変えていきます。
自分と同じ喘息で息絶えようとする老婆、ハンセン病であるがゆえに川の向こうへと追いやられた老若男女・・・・・
私の中で一番印象に残ったのは、共産主義者であるという理由で逃亡生活を余儀なくされた夫婦との出会いです。
旅の目的を聞かれ「旅をするため」と答えた
ゲバラと「旅をせざるをえない」夫婦。彼にとってここが一つの旅のターニングポイントになったのではないでしょうか。若手俳優ガエル・ガルシア・ベルナルの複雑な思いのこもった瞳が強く印象に残っています。
教科書ではみることのできない素顔の
ゲバラがここにはいます。
チェ・
ゲバラ信奉者だけでなく今の自分を変えてみたいという方、はたまた単に南米の文化に触れてみたいという方にもおススメの一本です。
久々に、本当に良い映画を観たと思います。
歴史的な背景を抜きに、何の知識も持たずに観ても十分に楽しめる作品でしょう。
2人の旅の厳しさ、その一方で垣間見ることのできる若くて奔放な一面。エルネストと友人とのやり取りもまたユーモアに溢れ、話の節々で思わず微笑ましい気持ちになります。
また南米を旅する中で映し出される風景もそれぞれ美しく、無駄なBGMなどがほとんどないシンプルな作りにも好感が持てます。また、
スペイン語の独特のリズムと、旅のリズムが、ちょうど歴史の重厚さと絶妙なバランスを保っているように思います。
もちろん、チェ・
ゲバラという革命家についてある程度基礎知識をつけて観ればより楽しめるはず。いずれにしても、清々しい気持ちになれる秀逸の作品と言えるでしょう。
以前映画館でみて印象に残っていました。南米は行ったことがありませんが、
マチュピチュには一生に一度は行ってみたい。バイクでの旅の風景はとてもきれいです。